『加納光於と60年代美術』  馬場明子 著  (未知谷・2376円)

『加納光於と60年代美術』  馬場明子 著  (未知谷・2376円)
『加納光於と60年代美術』  馬場明子 著  (未知谷・2376円)
写真を見る

 40年前、社会人になってすぐの著者は1枚の版画を購入した。現代日本を代表する版画家、加納光於の「金色のラベルをつけた葡萄(ぶどう)の葉」。版画に書かれた「7/7」という文字は、7枚刷られたうちの7枚目であることを示していた。「残りの6枚はだれが所有しているのか」。最近になって気になりだした著者は、探索の旅をはじめる。版画家に手紙を出して会いに行き、彼の話を手がかりに渋沢龍彦邸、美術館、そしてコレクターのもとへ。それは、加納の半生とその仕事をたどり、日本の戦後美術を振り返る旅だった。意外な結末にいたる旅の記録から、版画というものの本質やおもしろさが伝わってくる。著者は元テレビ西日本ディレクター。


=2017/09/17付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]