『丘の上 豊島与志雄 メランコリー幻想集』  長山靖生 編  (彩流社・2592円)

『丘の上 豊島与志雄 メランコリー幻想集』  長山靖生 編  (彩流社・2592円)
『丘の上 豊島与志雄 メランコリー幻想集』  長山靖生 編  (彩流社・2592円)
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 『レ・ミゼラブル』の名訳で知られる福岡県朝倉市出身の文学者、豊島与志雄(1890~1955)は、菊池寛や芥川龍之介らが参加した文芸雑誌「新思潮」(第3次)から出発し、大正から戦後まで小説を発表した。その作品群から15編を選んだのが本書。戦時中、一夜の宿を提供してくれた女性がいとこの恋人だったことがわかった八重子は、彼女の家を再訪するが、そこは沼だったという怪異譚(たん)「沼のほとり」、人間疎外の都会でもがく男の一夜の行動を描く「悪夢」など、豊島独特の詩情が味わえる。

=2018/06/09付 西日本新聞朝刊=

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