プラトン著作集10年かけ翻訳 福岡大・水崎名誉教授 全27冊を出版 「一般読者を増やしたい」

10年かけて翻訳した「プラトーン著作集」を前にする水崎博明さん
10年かけて翻訳した「プラトーン著作集」を前にする水崎博明さん
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 福岡市西区のギリシャ哲学が専門の福岡大名誉教授、水崎博明さん(78)が、10年かけて古代ギリシャの哲学者プラトンが師匠の哲人ソクラテスの言葉をまとめた書物を翻訳し、「プラトーン著作集」として出版した。全10巻を27冊に分けた大作で、水崎さんは「若者にギリシャ哲学に親しんでほしいと翻訳に取り組んできた。学者をつくるより一般の読者を増やしたいという思いがあった」と話している。

 水崎さんは九州大文学部でギリシャ哲学を学んだ。福岡大人文学部の教授となりギリシャ哲学を教え、2010年に退職した。プラトンの著作集の翻訳は10年前に開始し、11年に1冊目を出版。その後、順次発刊してきた。

 「知らないことを知っていると思わぬその分だけ、私は彼ら(政治家、作家などの『知者』)より智慧(ちえ)がある」という「無知の知」などを説いたソクラテスの言葉をつづったプラトン。水崎さんは「日本国民の教養となりうる。読んだ人が涙を流してもらえるような解説を書こうと心掛けた」と語る。

 文章は、ギリシャ語の語順を守りつつ意味が通るように翻訳した。7行の翻訳が4時間かけてもできず、一晩寝ずに悩んだこともあったという。

 水崎さんの恩師である九州大の松永雄二名誉教授は「プラトンの著作を分担せずに1人で全て訳すことは、これまでなかった。すごい」と評価。「ソクラテスは日常会話が哲学になっており、その言葉は今でも生きている。ぜひ読んでほしい」と勧める。

 水崎さんは「新説プラトーンのイデア論」も出版した。問い合わせは櫂歌(とうか)書房=092(511)8111。


=2017/11/21付 西日本新聞朝刊=

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