福岡市独自の国際競争力を 戦略本を出版 APUの久保准教授 世界の5都市と比較分析

新著を手に「今後は日本の地方都市もグローバル経済と直接取引しながら成長していくようになる」と話す久保准教授
新著を手に「今後は日本の地方都市もグローバル経済と直接取引しながら成長していくようになる」と話す久保准教授
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 公益財団法人福岡アジア都市研究所のフェロー(研究員)で、立命館アジア太平洋大(APU・大分県別府市)の久保隆行准教授が1月、「都市・地域のグローバル競争戦略」(時事通信社)を出版した。福岡市と類似する世界の地方拠点都市を比較分析して、福岡の強みと弱みを指摘。東京とは違った独自の方法で国際競争力を高めていくべきだと提言している。

 久保氏は、森記念財団(東京)が毎年発表している世界の都市総合力ランキングの作成に携わった経験があり、2014年からは福岡アジア都市研究所で、グローバルな観点から福岡市の都市戦略を研究してきた。新著はこれまでの成果をまとめ、国内の他の都市や地域にも生かしてもらおうと執筆した。

 まず、福岡市がさまざまな国際的指標で国内でも高いレベルにあることを説明。その上で、世界都市ランキングの手法を応用しながら、福岡市が両立を目指す「生活の質」と「都市の成長」を大きな評価軸とし、2分野の計64指標の統計数値を相対評価でスコア化。シアトル(米国)▽バンクーバー(カナダ)▽メルボルン(オーストラリア)▽ミュンヘン(ドイツ)▽バルセロナ(スペイン)-の5都市と比較分析した。

 その結果、福岡は「生活の質」分野では5都市と遜色ないレベルにある一方、「都市の成長」分野では、留学生など外国人人材の割合や国際空港機能などの面でスコアが低いとの現状を浮き彫りにした。

 久保氏は「福岡はインバウンド(訪日外国人客)が増えているが、逆に福岡からビジネスで海外に打って出ていくアウトバウンドが増えないといけない」と指摘。今後は、福岡空港の滑走路増設やMICE(大型コンベンション)機能の強化で「都市の成長」分野でもスコア上昇が見込まれるとし、新著の結語として東京を経由せずに海外の主要都市と直接つながる戦略を提案している。

 「自治体の政策担当者やNPO関係者だけでなく、国際競争力について理解したい一般の方にも読んでもらいたい」と久保氏。336ページ、2700円(税込み)。

=2019/01/17付 西日本新聞朝刊=

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