性暴力被害者の苦しみ描く 映画「月光」5月7日、KBCシネマ 小澤監督「男性こそ見て」

「月光を通して被害の実態を知ってほしい」と話す小澤雅人監督
「月光を通して被害の実態を知ってほしい」と話す小澤雅人監督
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 「魂の殺人」と言われる性暴力の実態を描いた映画「月光」が5月7日午後7時から、福岡市中央区のKBCシネマで上映される。誰にも相談できず、苦しみを抱えて生きる2人の被害女性の姿がリアルに描かれた作品で、九州の映画館では初公開。上映後に性被害者の支援団体メンバーらと講演も行う小澤雅人監督(39)=東京=は「性被害に対する偏見はまだ根強い。男性にこそ見てもらいたい」と話している。

 ある小さな町。性暴力被害に遭ってから生活が一変し、ささいな物音にもおびえる日々を送る女性。父親から繰り返し性虐待を受け、感情を失う少女。そこでは、警察も病院も、弁護士も登場せず、声を上げられず絶望の淵にいる被害者が、実は身近で苦しんでいることを気付かせてくれる作品になっている。

 小澤監督がこの作品を手掛けたのは、児童虐待をテーマにした前作「風切羽(かざきりば)」の取材で児童養護施設を訪ねるうちに、性虐待の根深さを知ったのがきっかけだった。被害者の手記や性暴力の影響などが書かれた本を50冊ほど丹念に読み、被害者からも話を聞きながら構成を練った。

 目を背けたくなる描写もあるが「映画で追体験し、被害者の苦しみを知ってほしかった」。昨年6月から全国で順次公開され、被害者からは「気持ちを代弁してくれてありがとう」との声が寄せられることもある。タイトルの「月光」には、「どんな絶望の中にいても、希望があるという意味を込めた」という。

 上映後の講演は午後9時からで、小澤監督のほか、性被害に遭ったほしおか十色さん、「性暴力被害者支援センター・ふくおか」の浦尚子センター長らが、被害後の生活などをテーマに語る。料金などの問い合わせは、KBCシネマ=092(751)4268。


=2017/04/27付 西日本新聞朝刊=

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