福島描いた映画 きょうから公開 ベルギー人監督の遺志 妻ら継ぐ

撮影中の故ジル・ローラン監督
撮影中の故ジル・ローラン監督
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 東京電力福島第1原発事故の影響が続く福島県でたくましく生きる人々の姿を描いたドキュメンタリー映画「残されし大地」(ベルギー、76分)が17、18の両日、福岡市中央区のKBCシネマで上映される。監督は2016年のベルギーの地下鉄テロで犠牲になったジル・ローランさん(享年46)。妻で北九州市出身の雑誌編集者、鵜戸(うど)玲子さんらの尽力で日本での公開が実現した。

 ローラン監督は13年、一家で妻の母国に移り住んだ。原発事故後に全町民が避難した福島県富岡町に住み続ける親子の存在を知り、映画撮影を決意。その親子を含め、福島にとどまった家族3組に寄り添い、15年8月から10月にかけて撮影した。

 ローラン監督は編集作業のためベルギーに一時帰国し、地下鉄テロに巻き込まれた。帰らぬ人になったが、遺志を受け継いだ同僚らの手で映画は完成。淡々と進む日常生活や美しい自然を切り取った作品は高く評価され、第10回マルセイユ国際科学映画祭の最優秀映画賞などを受賞した。鵜戸さんは日本での配給先を探すなど奔走し、3月から順次、国内での公開が始まった。

 鵜戸さんは「福島の問題だけでなく、普遍的な『故郷』がテーマの映画。私の故郷である福岡県の人に夫の思いが届けばうれしい」と話している。

 上映は17日午後6時45分、18日午後5時5分から。一般1800円など。KBCシネマ=092(751)4268。


=2017/06/17付 西日本新聞朝刊=

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