地方と再生エネ 映画に 「おだやかな革命」 福島原発事故後描く 「豊かさ」問い若者共感

「おだやかな革命」のポスター
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渡辺智史監督
渡辺智史監督
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 地域資源を生かして再生可能エネルギー導入に挑む住民を追ったドキュメンタリー映画「おだやかな革命」(渡辺智史監督)が全国で順次公開され、ヒット作になっている。人口減少に危機感を募らす地方で、持続可能な社会を模索する人々に焦点を当てた作品。経済成長一辺倒ではなく、「豊かさとは何か」「人の生き方は」を静かに問いかける内容が、若者たちにも受けているようだ。

 作品には、東京電力福島第1原発事故をきっかけにエネルギー自給を目指し、福島県喜多方市の酒造会社経営者らが始めた「会津電力」や、全村避難した同県飯舘村の酪農家が帰村後の仕事にしようと起こした「飯舘電力」の太陽光発電会社2社のほか、昔ながらの水路を活用した小水力発電を導入する岐阜県郡上市・石徹白(いとしろ)集落▽首都圏の「生活クラブ生協」が秋田県にかほ市に建てた風車を巡る地域住民との交流-などが登場する。

 このうち石徹白集落は移住者の提案で、ほぼ全世帯が事業に出資したという。「大家族的に一緒に造ること自体が楽しい」(移住者)、「(地域の豊かさを)彼ら(移住者)から気付かされる」(昔からの住民)…。外部資本を受けなかったことが、集落の結束を強くした姿が描かれる。

 「合理性、コスト、効率、利益、スピード…。その中で一生懸命生きているけど幸せですか」。会津電力社長の言葉は、都会で生きる人々の心を揺さぶる。
 渡辺監督は「文明史的なパラダイム(社会の価値観)の転換が起きているという視点で撮影した」と狙いを語る。

 初上映となった東京都中野区の「ポレポレ東中野」では、2月3日の公開日は全96席が満員で、2度にわたって公開を延長(5月11日に終了)。1月以降の同館最大のヒット作となった。同館の石川翔平さんは「若い世代の観客が多く、移住や起業、社会貢献など、自らの生き方の手掛かりを探しに訪れた人が多かったと思う」と話している。

 現在は横浜市などで上映中。九州では佐賀市のシアターシエマで6月15日から公開するほか、各地での上映を調整中。自主上映の問い合わせは作品ホームページから。

=2018/05/15付 西日本新聞夕刊=

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