佐世保 社会派映画 月1回上映 女性の人権問題や東日本大震災…… 雑貨店とバー共同開催

 女性の人権問題、東日本大震災…。社会問題を扱うドキュメンタリー映画の上映会を毎月1回、佐世保市で開いている市民グループがいる。今では映画館で見ることが少なくなった社会派映画。百数十人が入れる市内のバーを会場にして、多いときには50人を集めるという。採算を取るのは大変だが、「自分たちでできることをやってみたい」と肩ひじ張らずに続けている。

 「シネマコンネ99」というグループで、途上国の生産品を適正価格で購入して経済的自立を支援するフェアトレード商品の雑貨店「つながる雑貨屋 てとて舎」(佐世保市下京町)のスタッフと、閉館した映画館「エクラン東宝」を改装したカフェ&バー「Blue Mile」(同市栄町)の店主など5人がメンバー。

 きっかけは、てとて舎が2016年5月、安価な衣料品を生産する途上国の生活環境の実態を指摘したドキュメンタリー映画を同バーで自主上映したことだった。てとて舎の仕入れ先が映画に登場するというのが上映の理由だったが、見終わった後、スタッフで社会派映画の良さや必要性などを話し合った。映画の配給会社が小規模会場での上映会ができるようにしてくれることも知り、定期開催を決めた。

 同年10月、第1回目を開催。原発を取り巻く人々の暮らしを描いた作品だった。その後、食材廃棄の問題や石木ダムなどを取り上げた映画を紹介し、1回につき5~50人の観客が訪れる。見終わった市民からは「知らないことで勉強になった」「これからも続けて欲しい」という声が寄せられたという。てとて舎スタッフの内田初美さん(38)は「元映画館といういい場所があるので始められた。たいそうな志があるわけではないが、身近にも問題があることを知ってもらうきっかけになれば」と話す。

 映画館で上映されるのは多くが商業映画。社会派ドキュメンタリーを見る機会は少なく、単発での上映イベントがある程度だ。「店の営業には結びつけていない。上映会は利益にならなくてもマイナスにならなければいいと思っている」と内田さん。5月からは同市元町の教法寺もメンバーに加わり、上映会場が2カ所になり、インド、カナダ、オーストラリアで環境問題を解決しようと奮闘する活動家3人のドキュメンタリー映画「ELEMENTAL」を扱う。問い合わせはてとて舎=0956(76)8266。

=2018/05/22付 西日本新聞朝刊=

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