東出昌大、モデルから俳優業に「全く思ってなかった」 映画でメカニック役熱演

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 公道を猛スピードで駆け抜ける自動車競技「ラリー」を題材に、若者たちの情熱と挑戦を描いた映画「OVER DRIVE」(公開中)で、俳優の東出昌大さんが整備担当のメカニック役を熱演しました。映画のロケ地となった北九州の門司港の魅力や今後の活動について話す実直な語り口がとても印象的でした。

 -もともと車に興味は?

 ★東出 全くなかったです。どちらかというと車離れが叫ばれてる世代に生まれたなと。工具や部品の知識もなかった。辞書くらい分厚い資料をいただいて覚える知識は多かったけど、役作りの一環なので大変ではなかったです。撮影終盤には好きなパーツや工具を言い合うメカニックばかになってました。

 -時間内に車を整備して再び走りだす、手に汗握る熱戦に目が離せませんでした。

 ★東出 専門的な話だけではなく逆境に立ち向かう人たちの人間ドラマ。学校生活でも会社でも逆境を経験したことがない人はいないと思うので、みなさんにおすすめの映画です。

 -ドライバーで兄弟役の新田真剣佑さんと初めて会った時は衝撃的だったそうですね。

 ★東出 僕が別の現場を終えて今回の作品の撮影に入るためにお風呂場で四つんばいになってヘアスタイリング剤を落とされている時に、いきなり「兄貴ー!」って叫びながら馬乗りしてきた(笑)。人なつっこいですね。まっけんからは今も「兄貴」と呼ばれてます。

 -ラリーの撮影地となった北九州の門司には初めて訪れた?

 ★東出 はい。景色がすごくきれいで共演者とは遊覧船にも乗ったし、絵になる風景がいっぱいあるなあと思いました。

 -羽住英一郎監督の映画は北九州ロケが多いですよね。

 ★東出 今作も「北九州じゃないとこういう熱量にならないんだよ」っておっしゃってて。現実のラリーにはお祭りのように熱狂してる観客の方がいますし、北九州にもお芝居の熱量を何倍にもしてくれるオーディエンスの方たちが多かった。東京では全然撮れないというか、毛色が違いますね。

 -焼きカレーは食べましたか。

 ★東出 食べました! 共演した町田啓太がロバート秋山さんと面識があって、秋山さんのお父さまがやられてるお店で2人で食べました。

 -ところで東出さんはもともとモデルだったが俳優に転身した。ずっと俳優業がしたかった?

 ★東出 いや、本当に全く思ってなかった。役者は遠い遠い世界の話でした。

 -デビュー作で新人賞を受賞。それで俳優として生きる覚悟を?

 ★東出 生きていくってほどのことはなかった。食っていけるかいけないか分からないので。でもすごく人に恵まれて、撮影後に家族や友人と話をしていくうちにもうちょっと続けてみたいと思った。デビューして7年目だけどずっと自信はないです。この言葉にうそはなくて。自分の至らなさは常日頃痛感しているし、親しい人に仕事が大変…と説明する時もあるけど、それが今歩みを止める言い訳にもならないからもうちょっと頑張るとは言うんですけどね。

 -すごくまじめですね…。息抜きはしていますか? 大丈夫ですか?

 ★東出 大丈夫ですよ、大丈夫大丈夫!(笑)。まじめに頑張るのはみんな同じ。息抜きもしますよ。家族で過ごしたり旅行に行ったり。毎日のように暴飲暴食して、あーやばいやばい!ってこともあります。

 -カンヌにも行かれましたね。

 ★東出 大変光栄なことに日本から2作品だけ正式コンペに出品されて、国際的な舞台でどう見られるかというのは初めての経験だったので、分からないからこそ胸を張って出ようと思いました。

 -今後どんな俳優になりたい?

 ★東出 これはずっと変わらないけど、幸せになりたいなって思います。すごい欲深いことだけど仕事で成功したいという野心もあるし、かといって「あいつは仕事はいいかもしれないけど人間性がな」って陰口をたたかれるようなやつにはなりたくない。周りの人と一緒に幸せになって自分も幸せになって、良い役者になれればなと思います。

 ▼ひがしで・まさひろ 1988年2月1日生まれ、埼玉県出身。モデル活動を経て2012年に映画「桐島、部活やめるってよ」で俳優デビュー。翌年、下半期のNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」で注目された。妻は女優の杏。9月公開予定の主演映画「寝ても覚めても」が第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。

=2018/06/02付 西日本新聞朝刊=

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