「鉄郎が自分の中で息を」 舞台「銀河鉄道999 GALAXY OPERA」主演 中川晃教さん

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 不朽の名作「銀河鉄道999」(松本零士さん原作)が音楽劇となって北九州の舞台にやってきます。主人公の星野鉄郎を演じるのは日本のミュージカル界をけん引する中川晃教さん。物語は映画版第1作をベースとしており、音楽活動も行っている中川さんが劇中の主題歌も手がけました。

 -昔からのファンも多い作品を、しかも原作者ゆかりの地で上演。プレッシャーは?

 ★中川 あまり感じていない。それよりもこの作品に出合い、自分がこれまで経験してきたことをこの役にぶつけていける楽しみな気持ちでいます。役作りで分からないことがあれば生みの親で今も元気な松本零士先生に聞きに行けるので、素晴らしいと思います。

 -松本さんに会った時はどうでした?

 ★中川 出会った瞬間に自分にとっての999が始まった、鉄郎が自分の中で息をし始めたと思った。先生はそんなマジシャンです。先生はとにかく話が止まらなくて、999も40年以上物語が途絶えず旅が終わってない。終わりなんて自分で決められるのに、自分の半生とともに今もなお作品が生き続けてる。

 -中川さんは鉄郎と通じる部分はありますか?

 ★中川 僕は東京生まれの仙台育ちで、高校卒業と同時に東京に出てデビューした。上京時に東北新幹線から見えた景色や自分の夢に向かって歩きだすんだという、不安よりも憧れを感じたことを思い出した。それは鉄郎とリンクするなあと思います。

 -もし本当に銀河鉄道があったら乗りたい?

 ★中川 憧れというだけでなく、近い将来本当に宇宙に出て行く日が来るかもしれない。もしその時が来たら乗ってみたいです。でも機械伯爵とか出てくるのに何でもっと最先端な外見の乗り物ではないんだろうと思う。それは1000になるひとつ手前の無限の中で、人間が今も昔もそして未来も人間であり続けることを体温を持って伝えてくれるから。そういう温度感を999からは感じます。

 -舞台版の主題歌も手がけた。

 ★中川 ゴダイゴの方たちとライブで一緒に映画の主題歌を歌ったことがある。そのオマージュもありがなら舞台版として新しい曲を作った。鉄郎は列車に乗って自分の目的を持って宇宙に飛び出して行く。少年の終わらない旅、終わらない青春。悲しみや苦労に満ちているのではなく絶えず頑張っている、その少年らしさを歌に盛り込みました。

 -作曲は幼い頃からしていた。

 ★中川 ピアノを幼稚園の頃から、作曲は小学3年からです。ある時レストランで食事していて、店に置いてあったピアノを弾いていたのが男性だった。それが衝撃的で、母がすかさず「男の子でピアノ弾いたら女の子にもてるよ」って。それで「もてるんだ。やりたい!」ってまんまと引っ掛かった(笑)。母はミュージカルも好きだったので、幼稚園の頃から見に行っていました。

 -ハイトーンボイスは生まれつき?

 ★中川 努力で身に付けた部分とどちらもある。のどの調子を維持するために、はちみつ配合のプロポリススプレーや、台湾の漢方を調合してもらったりしてます。あとは食べ物、睡眠が大事です。

 -食べ物といえば、料理も得意だそうですね。

 ★中川 父が気仙沼出身なので魚釣りが好きなんです。子どもの頃からよく付いて行ってて、父が釣った魚をさばいて調理するのを見るのが大好きだった。そこから自分も料理が好きになりました。

 -中川さんが想像する未来は?

 ★中川 オリジナルミュージカルを作りたい。音楽だけをやってたら多分行き詰まってたけど、ミュージカルの世界に足を踏み入れたことが僕のターニングポイントだった。今では海外の舞台俳優たちと同じステージに立って刺激的な日々を過ごしている。夢のままではなく、かなえるために準備をしていきたい。それがこの先5年間の目標です。

 ▼なかがわ・あきのり 1982年11月5日生まれ、仙台市出身。2001年、「I WILL GET YOUR KISS」でシンガー・ソングライターとしてデビュー。翌年ミュージカル「モーツァルト!」で主役を演じ、第57回文化庁芸術祭賞演劇部門新人賞などに輝く。「銀河鉄道」の北九州公演は7月21、22日。

=2018/06/23付 西日本新聞朝刊=

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