勘違いと思い込みで突っ走った デビュー25周年 シンガー・ソングライター 斉藤和義さん

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 男くさくてストレート、かつ繊細な歌で私の心をつかみ続けるシンガー・ソングライターの斉藤和義さんがデビュー25周年を迎えました。ギターを手にして40年。ライブではバンドスタイルや弾き語りで骨太な音を聞かせてくれます。音楽の合間には意外な趣味も楽しんでいるそうです。

 -25年、早かったですか?

 ★斉藤 早かったです。あっという間。自分自身何か変わったんでしょうけど、自分ではそんなに変わった気はしてない。でもいっぱい曲を作ってきたなあ、と思いますね。

 -ギターはいつから?

 ★斉藤 小学6年生の時におふくろにギターを勧められて、中学生ぐらいから本格的にはまってバンドを組んだ。その当時はギタリストになりたいと思っていたのでずっとそのまま来ちゃった感じです。ハードロックとかヘビメタばっかりやってました。

 -ギター漬けの毎日だったと。

 ★斉藤 いや、小学生の頃は少年野球チームに入ってました。運動は全然ダメで下手くそだったからずっと補欠でしたが。関東大会は優勝するくらい強いチームでしたよ。毎朝5時に起きてタイヤを付けた縄を腰に巻いてグランドを走ってた。全然面白くなかったので、夕方帰ってきてからギターをジャカジャカ弾いてました。

 -音楽で食べていこうと思ったのはいつごろから?

 ★斉藤 高校生ぐらい。ハードロックよりもブルースっぽいのが好きになってきて、弾き語りで歌ったりオリジナルを作ったりするようになりました。22歳で上京したんですけど、一応親には25歳までにデビューできなかったらちゃんと就職するとは言ってました。まあそんな気は無かったですけど(笑)。そしたら本当に25歳くらいからお客さんが増えてレコード会社の人が見に来るようになった。当時は勘違いと思い込みがすごかったので、デビューできるはずと思ってたし、その他にやりたいことも無かったからプロになれないと困っちゃうという感じでした。

 -曲を聴いていると、斉藤さんは歌をストレスなく作り上げてるように感じます。

 ★斉藤 大変っちゃ大変ですよ。特に曲を先に作って後で詞を書く場合とかだと、宿題みたいに詞が残っちゃってどうしようって何日も悩むことがある。いろいろこねくり回したらろくなことないんで、最初に思いついたやつでいいやって最近は思います。だからデモテープとかもあまり作らないで、思い付いた時にICレコーダーに鼻歌でメロディーを録音したりする。歌詞は「人間そんなに違わないんじゃないか、こういうの分かるっていう人いるんじゃないか」という気持ちで書いてます。

 -どんな時も話すトーンが変わらないのが前から印象的ですが、独特の緊張感が漂う弾き語りライブでは気持ちが高ぶったりしませんか?

 ★斉藤 ライブだとテンション高いけどね、今もやる気が無いわけじゃないですよ! もともと1人でやってたので弾き語りは好きなんです。でも去年はツアーの時にピアノで慣れない曲をやってみたり、最初のうちは緊張して結構憂鬱(ゆううつ)でした。やりたいからやるんですけどね。弾き語りすると1回リセットして次はまた全然違うことをやってみたくなったりします。こんなことやりたいっていう自分の気持ちに正直に、なおかつライブもずっとやれてお客さんも来てくれたらいいなあと思います。

 -音楽一筋ですね。音楽以外でどんなことをしているのか全く分からない…。

 ★斉藤 DIY(日曜大工)が好きで、家で木を切ったり色塗ったりしてテーブルや棚を作ることがあります。工具がかわいくてホームセンターに見に行くのも好きです。工具が使いたいから何か作ってるみたいな感じ。

 -月末には福岡でライブです。

 ★斉藤 福岡は本当に好きなところです。まずご飯が何でもおいしいし街もコンパクトだからふらふらするには良いですよね。言葉も好きです。博多弁かわいいっすよね(笑)。東京以外でどっか住めるなら博多がいいですね。 

 ▼さいとう・かずよし 1966年6月22日生まれ、栃木県出身。93年にシングル「僕の見たビートルズはTVの中」でデビュー。翌年リリースされた「歩いて帰ろう」で注目された。代表曲は「歌うたいのバラッド」「ずっと好きだった」「やさしくなりたい」など。デビュー25周年記念ツアーの福岡公演は30~31日、福岡国際センターで。キョードー西日本=092(714)0159。

=2018/08/11付 西日本新聞朝刊=

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