音楽への感謝を込めて 15周年でアルバムとツアー 平原綾香さん

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 「Jupiter(ジュピター)」で2003年に鮮烈なデビューを果たした平原綾香さん。15周年の今年は「Dear Music」と題した記念アルバムを出し、同名のツアーも開催中です。包み込むような温かい歌声が印象的なボーカリストはミュージカルにも活躍の場を広げています。

 -記念アルバムとツアーの名前に込めた思いは?

 ★平原 音楽自体への感謝の気持ちです。人って誰かに出会って自分が変わっていくというのを経験すると思うんですけど、私は人だけじゃなくて曲と出会って自分を変えてもらったという経験が多いので、音楽を人に例えて「ありがとう」という思いです。

 -例えばどんな曲でしょうか。

 ★平原 2008年に、ショパンの「ノクターン」という曲を倉本聡さんのドラマ「風のガーデン」でカバーすることになったんですが、歌いこなして曲に認めてもらうまでかなり時間がかかりました。不思議な話なんですけど、曲にはいろんな人たちの思いが宿っているんです。この曲を通じてショパンをはじめとした人たちにレッスンをしてもらっているような感覚があり、自分を変えてくれたと思います。

 -記念アルバムは半分以上がミュージカルの曲ですね。

 ★平原 普通だったらシングルコレクションとかベストアルバムというものなんでしょうけど、私の15年を振り返って自分の慣れないこととか、結構新しいことにチャレンジしてみようと思って。それで新曲も入るし、私のルーツであるジャズも、チャレンジしてきたミュージカルも入れ、もちろん「ジュピター」も入れて今までの総集編みたいなものをレコーディングしました。

 -ミュージカルで最初に演じたのは「オペラ座の怪人」の続編、「ラブ ネバー ダイ」のクリスティーヌですね。ソプラノの高音がきれいです。

 ★平原 レッスンに行く暇もなかったので、YouTubeで国内外のオペラの有名な方の歌をどんどん聴きました。“なんちゃって”でもいいから、まずはオペラの歌い方を勉強しよう、ということから始まりました。

 -ボーカリスト平原綾香として大きな転機になったのでは?

 ★平原 めちゃめちゃなりました。オペラの発声というものが歌の基本ですし、オペラの発声法をやっておくと表現できる幅が広がるというのを感じましたね。

 このお芝居はセリフが歌だけだったので、演技の始めとしては良かったです。その後に「メリー・ポピンズ」のオーディションがあって、次にセリフが多い(キャロル・キングの半生を描いた)「ビューティフル」、そして「メリー・ポピンズ」の本番、といった順番でミュージカルに関わりました。

 -記念コンサートは福岡でもあります。

 ★平原 構成はアルバムとは違います。平原綾香を知らない人も楽しめると思います。歌は聴く人の感情に触れた時に初めてその人の歌になる。だから「何かこの歌いいよね」と思ってもらえれば大成功だと考えています。

 -もともとはサックスを演奏していたということですが、歌への影響は?

 ★平原 サックスの奏法と歌唱法はおなかの使い方とか息のコントロールのイメージが同じなんです。父もサックスプレーヤーですけど、歌に迷ったら父に聞く、というか、私の歌のルーツは父のサックスの音なんです。

 -歌うことで心掛けていることは?

 ★平原 声帯に気を使っています。私は声帯様と呼んでいるんですけど、声帯様がいかに快適にお過ごしになられるか、ということを毎日考えています。オペラっぽかったり、ロックみたいなものやジャズ風ものなどがある自分の表現スタイルには声帯様の働きが不可欠です。これからもいろんな歌を歌っていきたいと思っているので、引き出しをたくさん作って声帯様とともにいい音楽を歌っていきたいと思います。

 ▼ひらはら・あやか 1984年5月9日生まれ、東京都出身。父親はサックス奏者の平原まことで、本人も高校、大学でサックスを学ぶ。日本レコード大賞新人賞(2004年)など受賞歴も多い。「ラブ ネバー ダイ」の初演は2014年、来年再演が予定されている。福岡での15周年記念ライブは9月20日、福岡市民会館。キョードー西日本=092(714)0159。

=2018/09/01付 西日本新聞朝刊=

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