有村架純、初のシングルマザー役は「等身大で」 映画「かぞくいろ」主演

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 熊本県と鹿児島県を結ぶ「肥薩おれんじ鉄道」を舞台にした映画「かぞくいろ-RAILWAYS わたしたちの出発」が公開中です。女優の有村架純さん(25)が演じるのは、夫を亡くした奥薗晶。義父を頼って東京から鹿児島に移り、新しい人生を切り開く物語は、九州新幹線開通を機に第三セクターとして再出発したローカル鉄道の姿とも重なります。

 -シングルマザーで先妻の子を育てている。珍しい役と思ったのですが。

 ★有村 出産する母親役はやったことがあるけど、9、10歳の子どもを持つシングルマザーは初めてでした。ただ難しさはあまり感じませんでした。

 -と言いますと?

 ★有村 晶も、私も経験したことがないですから。分からないという意味では等身大でいいし、突き詰め過ぎないように心掛けました。でも晶がどういう環境で生きてきたのかは、まったく劇中で説明されていない。そこはしっかり作らないといけないと意識しました。

 -夫の修平(青木崇高)に先立たれ、初対面となる義父、節夫(国村隼)の家に飛び込む。そして運転士になることを決意します。

 ★有村 初めて会う人なので躊躇(ちゅうちょ)するかもしれない。でもそこしかつてがない。もし私がそういう状況になっても、行くかもしれないです。

 -晶は血縁を超えた家族を築いていきます。どんなことを意識して演じましたか。

 ★有村 家族ってみんなで同じテーブルを囲んでご飯を食べるだけで幸せ。私はそういう時間の中で育ってきた。でも晶はそんな愛情や温かみを感じずに生きてきたので余計に分からなかったと思う。家族ってなんだろう。どうやって作っていくんだろうって。

-肥薩おれんじ鉄道はどうでしたか。

 ★有村 東京と違ってゆっくりとした時間が流れている。乗っているとすごく眠たくなるんです。それは優しい運転をしてくださるから。あと、1~2両と車両が短く運転席からでもお客さんの顔が見えるんですね。目に届く場所に乗客がいるのがいいですね。

 -ご自身の鉄道の思い出は?

 ★有村 阪急電車を常に使っていました。十三駅(大阪市)から梅田方面にかけて大きな淀川を渡るんです。その景色が好きでした。

 -今回印象に残った景色はありますか。

 ★有村 劇中でも出てきますが、高台から見た薩摩大川駅(鹿児島県阿久根市)の近くを走る鉄道の風景がすごい好きでした。

 -鹿児島ロケは1カ月ほど。いかがでしたか。

 ★有村 鹿児島には親類が住んでいて何度も行った場所なんです。おばあちゃんちに行って猪のお肉を食べたり、畑仕事を手伝ったり。ご飯もおいしいし、久しぶりに帰って懐かしかったです。

 -好きなご飯は?

 ★有村 さつま揚げ、黒豚、かしわのお刺し身とか。甘い九州のおしょうゆが好きなので、それで作る煮物もおいしいです。

 -映画では芋焼酎を飲むシーンもありますね。

 ★有村 頻繁ではないですけど飲みます。国村さんが黒ぢょか(薩摩の伝統的な酒器)を気に入られて、ホテル近くの黒ぢょかを使って飲む店にご一緒しました。おいしかったです。

 -国村さんとは演技の話をしたのですか。

 ★有村 映画や海外での現場の話とかです。現場ではとにかく説得力があるんです。黙っていても、表情一つで何かが聞こえてくる。自分にはないし、尊敬とともにうらやましいと思いました。

 -息抜きしてますか。

 ★有村 現場に入っている時は集中して周りが見えなくなる。だからほかの映画や舞台を見ます。違うものに触れると気付きがあるんです。あとはインスタグラムで洋服を見たり、漫画、お笑い番組を見たりですかね。

 -映画は出発がテーマ。女優としてどう歩んでいきたいですか。

 ★有村 今までとは違うテイストのものをやらないと自分も見ている人も飽きてくる。30歳にかけて初めて演じる役も多くなるし、これからどんどん役柄が変わってくると思うので、それはすごく楽しみです。

 ▼ありむら・かすみ 1993年生まれ。兵庫県出身。2010年に女優デビュー。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(13年)で注目され、「映画 ビリギャル」(15年)で日本アカデミー賞優秀主演女優賞などを受けた。主な出演作は、テレビでは「ひよっこ」「中学聖日記」、映画は「ストロボ・エッジ」「ナラタージュ」など。

=2018/12/08付 西日本新聞朝刊=

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