HKT48 たどり着いた「伝説の一日」 単独アリーナツアー「可愛い子にはもっと旅をさせよ」福岡市で千秋楽

花道でファンを盛り上げるHKT48
花道でファンを盛り上げるHKT48
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 ●旅の終着点は初の野外海の中道1万人と一体ステージ
 
 HKT48の初の単独アリーナツアー「可愛(かわい)い子にはもっと旅をさせよ」が13日、福岡市の海の中道海浜公園で千秋楽を迎えた。今年初めの九州7県ツアーに始まり、東京、名古屋、大阪と全速力で駆け抜けてきた彼女たちの集大成。初の野外ステージで、曇天を吹き飛ばすかのようなはじけるパフォーマンスを見せ、集まった1万人のファンは、「旅」を通じてひとまわり大きくなった彼女たちの姿に熱狂した。 (古川泰裕)

 ●「らしさ」全開

 「伝説に残る最高の一日にしようぜ!!」

 開幕を告げる指原莉乃の力強い声が、雨上がりの空に響いた。劇場支配人の呼びかけに応えるように、少女たちが次々に登場し、ステージを駆け巡る。11日に予定されていた追加公演が台風の影響で中止となり、1日のみの開催となってしまった海の中道公演。コンサート前に朝長美桜が「11日の分も思いを込めて頑張る」と話していたとおり、うっぷんを晴らすかのように走り回った。

 あいさつ代わりは「青春ガールズ」。「HKT48」と「会いたかった」と続き、チームHの「ビーチサンダル」へ。メンバーが客席のほぼ中央に設けられたステージに登場し、ファンの目の前で笑顔を振りまく。

 チームK4の「ご機嫌ななめなマーメイド」が始まると、チームHはファンに囲まれた通路を走って、客席の左右に設置されたステージへ。時折ファンとハイタッチ。移動中も楽しんでもらう姿勢を忘れない。

 全員で歌う「君と虹と太陽と」では、メーンステージと、そこから伸びた3本の花道にもメンバーの姿が。どのステージを見渡しても、笑顔がある。「会場すべてのファンに楽しんでほしい」。ツアー中、貫かれてきた「HKTらしさ」が、初っぱなから全開だ。野外とは思えない距離の近さは、彼女たちが大切にしてきたものだ。磨きあげられた「サービス精神」が会場の隅々まで浸透し、ファンの大歓声も、ますますボリュームが上がった。

 ●自信と自覚が

 AKB48選抜総選挙でランクインしたメンバーの活躍が光ったのはユニットパートだ。

 最新シングルのダブルセンター・美桜と田島芽瑠が「西瓜(すいか)BABY」を無邪気に披露し、兒玉遥と本村碧唯らが「涙の湘南」で「かわいさ」や「元気さ」とはひと味違う「かっこよさ」を見せる。続く「ずっと前から」では、初の選抜入りを果たした宮脇咲良を筆頭に、多田愛佳と木本花音が圧倒的な存在感を示す。特に咲良の表現力は思わず息をのむほど。大人びた顔立ちと切なげな表情が、ファンの視線をくぎ付けにする。総選挙を経て芽ばえた自信と自覚が、16歳の少女をひとまわりもふたまわりも大きく見せているようだ。

 「みんなに水ぶっかけたい!!」。野外コンサート決定当初からのメンバーの願いは、MCを挟んだ後の「夏メドレー」で実現。48グループの夏にちなんだキラーチューンが次々と繰り出され、NMB48の「ナギイチ」で、大小の水鉄砲を客席に向けて発射した。夏の野外コンサートならではの演出に、少女たちの笑顔が輝いた。

 ●ユルさ“健在”

 ツアー名物の寸劇「白雪姫」のユルさは、千秋楽でも“健在”。“博多のボス”田中菜津美と“博多のおにぎり”秋吉優花の切れ味鋭い掛け合いや、主役なのにセリフが棒読みという美桜の“迷”演技が観衆の笑いを誘う。こうしたメンバーの個性も、ツアーを経て定着したHKTの魅力のひとつだ。

 会場が夕闇に包まれた頃、コンサートも終盤に突入。2ndシングル収録曲「波音のオルゴール」を初披露する兒玉、指原、美桜、咲良、芽瑠の5人が浴衣姿で登場し、雰囲気をさらに盛り上げる。続く「僕の打ち上げ花火」では、他のメンバーもカラフルな浴衣姿で現れ、ステージ上はすっかり夏祭り。腕の骨折で休養していた岡田栞奈も加わり、47人全員でしっとりと青春の甘酸っぱさを歌う。その少し切ないメロディーが、旅の終わりを惜しむように会場を包んだ。

 ●ツアーで進化

 およそ3時間半にわたって繰り広げられた夏の祭典は、色とりどりのペンライトに包まれながらフィナーレへ。アリーナツアーを通じ本編を締めくくってきた「明日は明日の君が生まれる」が、終幕を告げる。そしてそれはHKTにさまざまな進化をもたらしたツアーのゴールでもあった。

 11カ所で18公演。初めての旅路の果てに待っていたのは、固い結束とそれぞれの成長、忘れ得ぬ夏の思い出。それぞれのメンバーに刻まれた思いが、貴重な財産となり、グループをさらに高みに押し上げるに違いない。秋からは石川県(9月21日)を皮切りに、全国ツアーが始まる。新たな旅路で紡がれる彼女たちの物語が、一人一人の夢へとつながっていく。

 「この先もこの幸せが続くように、これからも応援よろしくお願いします」

 最後にファンへメッセージを送った指原。その目には、涙がにじんで見えた。

 ●内田裕也と熱唱

 これまでにも著名なミュージシャンとのコラボレーションで周囲を驚かせてきた指原莉乃は、大物ロック歌手・内田裕也とのデュエットで会場を沸かせた。自身の主演映画の主題歌「シェキナベイベー」を、内田以上にノリノリで熱唱する支配人は、やはり格別の存在だ。

 アイドルのコンサートという「自分にとっても想定外」の空間に飛び込んだ内田は74歳とは思えぬエネルギッシュな歌声を披露。「裕也」コールや「超絶かわいい裕也」など、アイドルのコンサートならではのかけ声を浴びた内田は出番を終えた後「俺の一生の中でも忘れられないコンサートになりました」と、初めての体験をしみじみと?振り返っていた。

=2014/07/18付 西日本スポーツ=

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