HKT松岡はな、昨年期待の若手注目株 心ない言葉に胸痛めることも 16日AKB選抜総選挙

笑顔を見せるHKT48の松岡はな(撮影・古川泰裕)
笑顔を見せるHKT48の松岡はな(撮影・古川泰裕)
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グループに欠かせない若手の星に成長した松岡はな
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●16日名古屋でAKB選抜総選挙

 AKB48選抜総選挙(16日)が10日後に迫っている。節目の10回目を迎える今回はSKE48の地元・ナゴヤドーム(名古屋市)で開票。海外の姉妹グループも候補の「世界選抜」を争うほか、発表されるランクを100位までに拡大し、81~100位の「記念枠」を新たに設ける。HKT48からは42人が立候補。前人未到の3連覇を成し遂げた指原莉乃は勇退、休養中の兒玉遥も不在だが、5月31日発表の速報値では「HKTのために」全てを背負う覚悟を決めた宮脇咲良をはじめ、矢吹奈子や田中美久らが奮闘ぶりを見せている。チームT2の松岡はな(18)も期待を集める一人だ。シングル表題曲で2度のセンター。「グループの顔」の一翼を担う元気印だが、昨年の総選挙では速報で圏外。本番では80位に食い込んだものの、今年も速報で120位以下に沈むなど苦戦が続く。はじけるような笑顔の下に不安と葛藤を隠しながら、「認めてほしい」ともがく18歳の思いに迫った。 (古川泰裕)

●速報値圏外から巻き返しへ

 昨年の総選挙速報発表。期待の若手注目株としてネットの番組に登場した少女は、あふれる涙を止められずにいた。

 はな「速報を待ってる間、さとちゃん(AKB48久保怜音)とか、ゆいちゃん(AKB48小栗有以)とか、同じ世代の子が一緒にいて。みんな(圏内に)入るわけですよ。さとちゃんとか選抜入りしてて『やばっ』と思って。その後に(同期の)おぎゆか(NGT48荻野由佳)が1位になって。すごすぎて『あぁ』って思ってたんですけど、その後、1人ずつ感想を言うときに、耐えきれなくて泣いちゃって。(裏に)戻ってさらに泣いて」

 背負っていた期待。周囲との差。厳しい現実に打ちのめされた。

 「そのとき『最高かよ』(HKTの8thシングル)のセンターをやらせていただいていたので『入らなきゃいけない』って思いがあったから…びっくりしちゃって。めっちゃ泣いちゃいました。そしたら、さっしーさん(指原莉乃)が仕事終わりで来てくださって」

●厳しい現実に挫折

 急きょ駆けつけた支配人に肩を抱かれ、スタジオを去った。

 「(番組に)呼んでいただいている時点で『ランク内に入らないと』ってドキドキしてたから…番組に出てた方にも申し訳なかったです。全然評価されてないというか…ファンの方に、どうも思われてないのかなって…わーってなりました」

   ◇   ◇

 初めてセンターに指名されたのは、2016年7月。初代チームHキャプテンを送り出したコンサートの翌日、同じ会場のステージだった。

 「(選抜発表で)なかなか呼ばれないから、落ちたと思ってました。センターは咲ちゃん(宮脇咲良)かなーって思ってたから、びっくり。こんな早さでセンターになっていいのかな…みたいな気持ちもあったんですけど、選んでいただいたから『頑張るしかない』と思って。(加入して)1年とかですかね。そう思うと、すごいですね(笑)」

 -なぜ選ばれたと思う?

 「まず、ドラフトで指名してもらったときから『なんで?』って。2人(村川緋杏、今村麻莉愛)に比べたら、何も特徴的なものはないし、なんで選んでもらったのかなと思いました。当日は落ちると思ってたから、帰る気満々だったんですよ(笑)。だから、センターも『えぇ』ってなりました。不思議ですよね。AKBの選抜にも選んでいただいてて、なんでかなって思っちゃう。選挙では全然下(の順位)ですし、どうしてだろうっていうのは思いますね」

 -頑張るしかない、と切り替える?

 「さっしーさんからよく電話とかLINE(ライン)とか来るんですけど、『期待されてるから、楽しんだ方がいいよ』って言ってくださるので。考えるより頑張らなきゃいけない、ですかね」

 -期待されてると言われると…

 「そうなのか、と。だからこそ選挙が…」

 -苦しくなる

 涙を拭いて頑張るしかない。再び前を向いて臨んだ沖縄では、誰よりも先に名前を呼ばれた。喜びと感謝が一番。それでも「これでいいのか」という思いもあった。

 「とりあえずランクインしたいと思ってたから、80位で呼ばれて心からうれしかったけど、後から同世代の子がどんどん名前を呼ばれていくと『もうちょっと上にいかないとダメだ』って思った。でも、すごくうれしかったです。安心しました」

 ファンへの感謝に偽りはないが、自身への物足りなさは残った。

 「こんな下にいるにもかかわらず、センターとか、前の方でやらせていただいてるから、申し訳ないというか、いいのかなっていうのがすごくあって。だから、本当に頑張らないと、となって」

●心ない言葉が耳に

 「結果」を出していないのに「推され」ている-。心ない言葉が、本人の耳に届くこともあるという。

 「HKTのときはあんまり言われないんですけど、AKBの選抜に入ると言われます。はなが入って、入らない子がいると『なんで』みたいな。AKB48のシングルの選抜発表が、SHOWROOM(動画配信アプリ)であったじゃないですか。それが、つらくてつらくて。配信しながら見ないといけなかったんですけど、つらくてできなくて(笑)。さっしーさんから、また電話が来て『大丈夫だから』って言ってくださって。ファンの人は喜んでくださるから、いいんですけど。気にしてたらしょうがないかなって思います。その日はすごく落ち込むけど、寝たら吹っ切れます(笑)。考えることもあるけど、そんなに悩まないようにしてます」

 とはいえ、胸の痛みを完全に取り除く「特効薬」は、まだ見つかっていない。

   ◇   ◇

 千葉県出身。2015年ドラフト会議でチームHに1位指名され、在籍4年目。テレビのレギュラー番組をきっかけに飛躍した「はなちゃん」は、今やグループでも屈指のHKT好きだ。

 「(HKT)好きです~! 春のアリーナツアーで、さらに好きになりました。なぜか分からないけど…良さを知ったというか。もっと伝えたくなります。なんなんですかね? 先輩はすごく優しいし…すてきなグループだなって思うんです、ツアーの後とか。みんなで頑張ってて、面白いし、みんなかわいいし」

 ステージでは全力の笑顔とパフォーマンス。歌い、踊り、走り、跳ぶ。誰よりも楽しんで、また楽しませる。「ライブのHKT」を体現する一人として、グループに欠かせない若手の星に成長した。

 「3年間で2回もセンターやらせていただいて、ありがたいですし、いい経験をたくさんさせていただいて。もっと頑張ろうと思いますね。その時は自分のことしか考えられてないから、ちょっとしたことでも落ち込んでたりしてたんですけど、あっという間に3年たって…。本当にありがとうございますって感じです」

●若手の星へと成長

 5月27日、アリーナツアー最終日。顔をくしゃくしゃにして泣いた。

 「寂しかったんですよ、とっても(笑)。『終わっちゃう』と思って。本当に楽しかったから、これがいったんできなくなると思うと寂しくて。ファンの方もたくさん会いに来てくれて、思い出いっぱいあったから」

 号泣する後輩へ繰り出す、小気味よい指原の突っ込みが、会場を温かい笑いに包んだ。見守った7000人全員が、はなが抱く「ホーム」への愛情の深さを、目と心に刻んでいた。

   ◇   ◇

 -「大好き」というHKTにとってどういう存在になりたい?

 「いないとダメだよねって感じにはなりたいけど…どうですかね…」

 -どんな「いないとダメ」なんだろう

 「『顔』というか…はながいないと違うっていうか…」

 -物足りなさがある、みたいな

 「そんな人になれたらいいですけど、どうだか…」

 -自信なさそうだね

 「自信は全然ないです。いきなりセンターになった人だし、選挙とかも全然だから」

 -「認められていないんじゃないか」という思いがある?

 「あるけど…見返したいというか…認めていただきたいっていうのは、結構強いです」

 繰り返す弱気な言葉の裏で、ほんの少し負けん気をのぞかせた。

   ◇   ◇

 5月30日。自宅で動画配信をしつつ今年の総選挙速報を聞いていた少女の目は、みるみる涙でぬれていった。何度も大きく息を吐き、たびたびフレームアウトしながら、努めて明るく振る舞おうとした。

 「あきらめないで、頑張りましょう」

 震える声でファンに呼び掛けながら、前を向いた。目指す選抜は、はるか遠く。それでも「頑張るしかない」。何度打ちのめされても笑顔で立ち上がろうとする彼女を、誰が払いのけられるだろう。曇りないHKTへの愛情と、少し弱気な自分も抱えながら。決戦の地に、笑顔の「はな束」をつかみに行く。

●HKT勢20人ランクイン 5月30日までの速報値

 5月30日までに集計された速報値では1~120位までを発表。HKT48からは宮脇咲良を筆頭に20人の名前が挙がった。エースとしての期待を背負い1位を狙う咲良は、3万を超える得票で3位と自身最高の滑り出し。最新シングルでセンターを担う矢吹奈子と田中美久はそれぞれ8位と17位につけ、選抜入りを狙う。安定した強さを見せる渕上舞は、今年も13位と上々のスタート。昨年速報圏外から見事に巻き返し40位に入った田島芽瑠も、26位という好位置につけた。高い歌唱力で序列を上げつつある3期生・坂本愛玲菜は36位と飛躍。4期生からは“出世頭”豊永阿紀が41位に入るなど若い力も健闘を見せ、劇場公演出演800回超の「座長」こと下野由貴も52位。一方、毎年ランクアップを続けてきた植木南央や、舞台で石川さゆりと共演した坂口理子らは圏外に沈み厳しい出足となったが、巻き返しを期待したい。

=2018/06/06付 西日本スポーツ=

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