咲良11位 生え抜き初選抜 今年も大躍進 HKT14議席

 ●指原は2位に
 
 博多軍団が大躍進-東京都調布市の味の素スタジアムで7日に開かれた「AKB48 37thシングル選抜総選挙」の開票イベントで、福岡市を拠点に活動するHKT48が14人がランクインし、昨年の6人から大きく議席を伸ばした。昨年覇者の指原莉乃支配人は2位に終わり、史上初の連覇はならなかったが、宮脇咲良が11位に入り悲願の選抜入り。生え抜きのHKTメンバーとして、初めて48グループの“最前線”へ躍り出た。そのほかにも、兒玉遥が21位に入るなど大健闘。スタジアムを埋めた7万人の大観衆に、HKT48の勢いを存分に見せつけた。 (古川泰裕)

 ●昨年26位から急上昇

 降りしきる雨にも、冷たい風にも負けず、サクラの花が力強く咲き誇った。

 チームK4の宮脇咲良が昨年の26位から大きく順位を上げ、11位にランクイン。3度目の総選挙で早くも16強の壁を突破し、選抜の座を勝ち取った。

 チームKキャプテンの横山由依、AKB48の2期生・宮澤佐江ら、そうそうたる猛者の上を行く11位。16歳の少女の顔に浮かぶのは、歓喜以上の驚きだった。

 「自分でもこんな…すてきな順位をいただいて、びっくりしています」

 「人生を変える」覚悟で臨んだ3回目の総選挙。待っていたのは、自分の想像を超えるファンからの愛。上位16人にのみ許された一人きりのスピーチ。続くのは、支援を惜しまないファンへの感謝だ。

 「ファンのみなさんは太陽のような存在。私は温かい光で照らされて光る月。月は、太陽がないと光ることはできません」

 類いまれな文才を生かし、美しい言葉で絆の強さを表現した。

 昨年は1位を獲得した指原莉乃に続き、HKT48では2番手の26位につけた。結果を出し、自信が芽生えたが、HKTではセンターをつかむことができず、弱音を吐くこともあった。そんな中、ともにHKTをけん引してきた兒玉遥と泣きながら話し合い、一つの目標を決めた。「ひたすら何事も、頑張る」。それは、劇場公演や握手会で、少しずつファンを増やしてきた咲良の姿勢そのものだ。「頑張れば、誰かが必ず見ていてくれる」。ファンを信じる咲良の思いに、彼らは票数という愛で見事に応えてみせた。

 スピーチも終盤。咲良が今年の総選挙のサブタイトル「ライバルはどこだ?」にちなみ、ライバルと定めたその名を明かす。

 「ライバルは、さっしー(指原莉乃)です。HKTには、さっしーを超える存在がいないといけない。いつか、さっしーを超えてみせます!!」
HKT48に大きな躍進をもたらした昨年の総選挙第1位。いつも自分よりメンバーを売り出そうと気を配る劇場支配人の背中を見て抱くのは、深い感謝と敬意。だからこそ、あえて戦いを挑む。少し背伸びして、しかし思いはまっすぐに。それが咲良の流儀だ。そして、それこそがHKTをさらなるステージへと導く力となるのだ。

 ついにたどり着いた48グループの最前線。今はまだ、遠く感じるライバルの肩に手が届くとき、鹿児島生まれ、博多育ちのサクラの花が満開を迎える。

 ●21兒玉遥 満面スマイル 「今年はHKT旋風巻き起こす」

 チームHとAKB48チームKを兼任する兒玉遥は、惜しくも選抜には届かなかったものの、21位に前進した。

 「今年は、HKT48旋風を巻き起こしたいと思います!!」

 涙はない。満面のスマイルで元気いっぱいに叫んだ。そして「先輩をつぶす」発言で喝采を浴びた昨年以上の大歓声が、兒玉を祝福した。

 圏外に沈んだ一昨年のリベンジを果たす形で37位になった昨年。とにかくステージで名前を呼ばれることが目標だった。さらに上を目指すと意気込んで臨んだ3回目の総選挙。持ち前の前向きさから、目標を上位16人の選抜に設定。その壁の高さを認識しつつも、明るい選挙活動を展開した。

 速報値では、本人もびっくりの10位。スタートダッシュの勢いのまま…とはいかなかったが、「HKT48の兒玉遥」の名前を存分にアピールしていた。

 ●25森保まどか 27朝長美桜 38田島芽瑠 39穴井千尋 42多田愛佳 48本村碧唯 50木本花音 60坂口理子 64松岡菜摘 67村重杏奈 79駒田京伽

 HKT48からは、そのほかにも数多くのメンバーがランクインした。

 先陣を切ったのは、79位に入ったチームHの駒田京伽。昨年、入場時の呼び込みで名前を間違われたことを引き合いに出し、「ちゃんと正しく呼んでもらえてうれしかった」と、涙ながらにしっかり存在をアピールした。速報で圏外だった村重杏奈は67位。はじける笑顔とともに、自称世界で一番おもしろいギャグ「めんたいこ」を、大観衆の前で決めてみせた。

 64位は、チームH副キャプテンの松岡菜摘。満面の笑みで「応援ありがとうございました」と初ランクインに感謝した。19歳の坂口理子は、速報で35位につけたアドバンテージを生かし、60位に。「第一印象は悪い方だけど、徐々に好きになってもらえるようにこれからも頑張ります」と話し、観衆を沸かせた。

 SKE48から兼任で加入した木本花音は50位に入り、「今年は呼ばれないと思っていたのでうれしい」と笑顔。48位に入ったのは、チームK4の本村碧唯。「夢かと思ったけど、ほっぺつねったら痛くてうれしい」と、涙ながらに話した。チームK4キャプテンの多田愛佳は、昨年から一つ順位を上げ42位。「ファンのみんなと一致団結した今年の総選挙が、一番楽しかった!!」と、晴れやかな顔を見せた。

 チームHキャプテンの穴井千尋は、39位で呼ばれた瞬間、ほっとしたような笑顔でガッツポーズ。「初ランクインしたので『ドンマイ穴井』じゃなくて『やったぜ穴井』って呼んでください!!」と絶叫した。センターの田島芽瑠は、昨年から大きく前進し38位。「票数は皆さんからの期待。それに応えられるように、芽瑠らしく頑張ります」と語り、温かい拍手を浴びた。

 チームK4の朝長美桜は27位。「今年も満開の“美桜”を咲かせることができてうれしい。初心を忘れず、これからも前進していきたいです」と、涙をこらえた。速報11位の森保まどかは25位に入り、「きょうがHKTに入って一番うれしい日です!!」と、満開の笑顔だった。

 ●スタッフ、ファンと「三位一体」の力

 九州7県単独ツアー最終日、福岡サンパレスでの福岡公演。取材を終えて現場を去ろうとすると、HKT48の運営スタッフに話しかけられた。

 「楽しかったでしょう?」

 そう尋ねてくるスタッフの顔も、実に楽しそうだ。裏方の笑顔の奥に見える、「すべてのファンに楽しんでほしいから、自分たちも真剣に楽しむ」というHKT48の理念。“末っ子”たちが総選挙で旋風を巻き起こした理由がそこにある。

 指原莉乃の意見をもとに組まれた度肝を抜くセットリスト。会場の後方からメンバーが飛び出すなど可能な限り客席の近くまで行く演出。メンバーの上に大量の桜の花びらを投下するスタッフのいたずら…。九州ツアーやさいたまスーパーアリーナでの単独コンサートを経て、手を替え品を替えファンを巻き込みながら楽しむコンサートは、いまやHKT48の十八番となった。そこから生まれる、今のHKT48の公演でしか味わえない一体感と多幸感は、さらにテレビや携帯電話の画面を通じて多くの人々に伝染。先輩グループを脅かすほどの大きなうねりとなった。

 九州、そしてアリーナツアーを駆け抜けながら手に入れた「全力で今を楽しむ」というHKT48最大の武器。三位一体で輝くその魅力は、グループの躍進とともに、さらにまばゆい光を放つに違いない。 (HKT48担当・古川泰裕)

=2014/06/08付 西日本スポーツ=

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