【大分県中津市】思い出のシャクナゲ満開 亡夫と半世紀かけ植樹1000株 耶馬渓の中島さん「穏やかな日常願う」

中島さん方の裏山一面で咲き誇るシャクナゲ
中島さん方の裏山一面で咲き誇るシャクナゲ
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「大変な時期ですが、今年も満開になってくれほっとしてます」と話す中島タエさん
「大変な時期ですが、今年も満開になってくれほっとしてます」と話す中島タエさん
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 裏山一面のシャクナゲが今年も満開に-。中津市耶馬渓町金吉伊福の農業中島タエさん(78)方の裏山では、約千株の赤やピンクのシャクナゲが見頃を迎えている。9年前に亡くなった夫と中島さんが半世紀かけて少しずつ植えてきた。近くで発生した山崩れでは安否不明者の捜索が続くなど地域は重苦しい雰囲気が漂うが、中島さんは「シャクナゲはいつも通り咲いてくれ、穏やかな日常を思い出させてくれた」と話す。見頃は週末まで。

 1963年に中島さんが結婚した時には、裏山は竹林だった。花好きだった夫の香さんが65年ごろ、近くの山に自生していたシャクナゲ2株を植えたのがきっかけ。夫婦で子株を少しずつ植えていったという。

 裏山一面に咲き誇るシャクナゲを目当てに福岡などからも見物客が訪れるようになった。香さんは「遠くから来てくれるから期待を裏切れない」と崖に登っては、咲き終わった花を取って回るなど丹念に手入れを続けたという。

 地域に潤いも与えた。毎年、地元の女性たちが満開の時期に集まって花見をするのが恒例となった。「思い思いに料理を持ち寄り、昼から夕方くらいまでたわいもない話で盛り上がるんです」と中島さん。今年も予定していたが、今回の山崩れで中止に。多くの犠牲者が出て、とても花見という雰囲気ではなかった。

 今年は見物客もほとんどいないという。中津市と日田市を結ぶ国道212号から伊福に通じる県道702号が捜索活動のため通行止めとなっているからだ。中島さんは「花に罪はない。玖珠や深耶馬渓からは来られるので、満開の花たちを見に来てほしい」と話している。

=2018/04/20付 西日本新聞朝刊=

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