【佐賀県嬉野市】アジサイこつこつ植え20年で5000本 嬉野・畦川内の中島さん

毎日、アジサイの手入れをしている中島新さん(中央)ら
毎日、アジサイの手入れをしている中島新さん(中央)ら
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 嬉野市塩田町の畦川内(あぜかわち)地区でアジサイが見頃を迎えている。中島新さん(89)が20年かけて耕作放棄地などにこつこつと植え、住民の協力もあって地区全体を約5千本が彩っている。

 同地区は冷泉が湧出し、1921年に「畦川内温泉」として開湯した。祐徳稲荷神社の参拝客が馬車鉄道(後に軽便鉄道)で湯治に訪れ、一時は嬉野温泉をしのぐにぎわいだったが、廃線になると湯治客は減少。加熱が必要でコストがかかり、32年に運営会社が倒れて幻の温泉となった。

 「3階建ての旅館もあり、それはにぎわっていた」と中島さんは振り返る。過疎化が進み、集落は30軒ほどに半減した。「何とか活気を取り戻したい」と、98年にアジサイの名所、長崎県佐世保市世知原で剪定(せんてい)した枝を分けてもらい、挿し木をして増やしていった。

 当初は耕作をやめた自分の畑に植えたが、協力する住民が増え、集落の随所に紫や水色、赤のアジサイが広がった。

 草刈りなどを引き受けている桑原和隆さん(79)は「中島さんは一年中手入れをしていた。花の里にしようという気持ちに打たれた」と話す。中島さんは「畦川内を訪れる人が増えればうれしい。体力の続く限り頑張りたい」と語った。

=2018/06/16付 西日本新聞朝刊=

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