新しい男女関係“セカパ”が、既婚者に広がりつつある!?

【朝日新書】友達以上、不倫未満 秋山謙一郎著
【朝日新書】友達以上、不倫未満 秋山謙一郎著
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 本書のタイトルである「友達以上、不倫未満」という文字を見ても、ピンとくる人はまだ少ないのではないだろうか。昔からある「友達以上、恋人未満」のもじりであることはわかっても。

 じつは、この「友達以上、不倫未満」というのは、新しい男女関係をさす言葉なのである。著者曰く、社会現象といっていいくらいに広まっているという。この関係にある相手のことは「セカンド・パートナー」(略して、「セカパ」)と呼ばれているが、いったいどういう関係なのか。

 セカンド・パートナーとは、既婚者が配偶者とはべつにもつ異性のパートナーのことだ。男性の側からいえば、妻以外に女性のパートナーをもつ。セカンド・パートナーは互いに既婚者であることが特徴だ。つまり、セカンド・パートナーをもつということは、相手にとってのセカンド・パートナーになるということでもある。

 これは週刊誌的表現で「W不倫」といわれる関係に似ている。なにがちがうかというと、肉体関係がないのである。それどころか、配偶者もセカンド・パートナーの存在を認めている。まさか……と、にわかには信じられない人も多いにちがいない。

 そこで、著者は16ものケースを例示して、都市部のホワイトカラー層に広がっているという新しい男女関係を紹介する。また、社会状況の説明として、2016年に話題になった「ゲス不倫」や「逃げ恥」を取り上げている。いわれてみれば、なるほど、と感じる部分も少なくない。

 ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』は結婚という契約関係を職場に置き換えてみせたが、いま現実の職場も様変わりしはじめている。大手企業なども続々と社員の兼業禁止規定を廃止している。夫婦関係においても「兼業」が認められつつあるのではないか、というわけだ。

 著者はセカンド・パートナーが不倫の隠れ蓑になる危険性を指摘しつつも、男女関係の多様性を認めることは社会の文化的成熟度の証だと述べている。セカンド・パートナーが広まることで、高齢者の孤独死が減るのではないかといった可能性の指摘も興味深い。


出版社:朝日新聞出版
書名:【朝日新書】友達以上、不倫未満
著者名:秋山謙一郎
定価(税込):821円
税別価格:760円
リンク先:http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18988


西日本新聞 読書案内編集部

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