体の柔軟性より正しく歩くことが大事!ウォーキングの指南書

ベタッと開脚してはいけない。どんなにからだが固い人でも、痛みがなくなり心が整う「1分ウォーキング」
ベタッと開脚してはいけない。どんなにからだが固い人でも、痛みがなくなり心が整う「1分ウォーキング」
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 挑発的なタイトルである。「ベターッと開脚」が話題となったことは記憶に新しい。できるようになりたいと取り組んでいる人たちが大勢いるであろうなか、「ベタッと開脚してはいけない」というのだから。

 しかし、本文を読んでみると、「ベタッと開脚」派を攻撃することを目的に書かれたのではないことがわかる。「ベタッと開脚」はひとつの例にすぎない。それがブームになることによって、無理している人たちが出てきた弊害を指摘しているのである。ひとことで言うと、「ベタッと開脚」に向いていない人もいるということだ。痛みがあるのに無理してやっても、体に悪影響をあたえるだけ。それを日本人の股関節のつくりなどから説明している。

 実際に読んで驚くのは、もっと単純なストレッチの否定だ。足首をグルグルまわす簡単なストレッチはだれでもやったことがあると思うが、これも過度にやるのは体によくないという。足首がやわらかくなりすぎると、うまく歩けなくなるからだ。

 その他、1万歩ウォーキングも腰痛の原因になりかねないし、スポーツ選手でもないのに筋トレすることも禁止だという。すでに取り組んでいる人はムッとするかもしれないが、著者はこれらのかわりに、「正しく歩く」ことを推奨する。それも1分間でいいという。毎日、1分間正しく歩くことで、呼吸が楽になり、体の左右のバランスがとれ、心身ともにリラックスできる。

 つまり、ウォーキングそのものを否定しているわけではない。正しく歩くことが大事だとわかれば、正しくない歩き方で1万歩も歩くと、かえって体を悪くするという説も納得できる。

 著者は柔道整復師、フットマスターとして13万人もの治療にあたってきた。そうした見識やさまざまな健康法のデメリットは本書の前半にまとめられている。著者がすすめる1分ウォーキングの方に関心がある読者は、4章から読みはじめてもいいだろう。写真入りで、正しい歩き方がくわしく解説されている。


出版社:講談社
書名:ベタッと開脚してはいけない。どんなにからだが固い人でも、痛みがなくなり心が整う「1分ウォーキング」
著者名:新保泰秀
定価(税込):1,296円
税別価格:1,200円
リンク先:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062206242


西日本新聞 読書案内編集部

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