中国の一面を知り、自分の身を守るために読んでおくべき本

教えて石平さん。日本はもうすでに中国にのっとられているって本当ですか? 石 平 著
教えて石平さん。日本はもうすでに中国にのっとられているって本当ですか? 石 平 著
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 日本と中国は一衣帯水の隣国で、古来よりさまざまな交流を重ねてきた。しかし、近年は尖閣諸島問題を含めた政治問題が影を落とし、相互理解の難しさが続いている。それでも本書を読めば、きっと中国のことが理解しやすくなる。なにせ著者は中国出身で、日本に帰化している人物。両国の特徴をよく知っているからだ。

 それにしても、タイトルがセンセーショナルだ。「日本はもうすでに中国にのっとられているって本当ですか?」。たしかに最近、中国人をよく見る。2016年の訪日外国人観光客では、中国が637万人でダントツのトップ。北海道、秋葉原、銀座、富士山、箱根、大阪など、観光地はどこも中国人観光客でいっぱいだ。それだけではない。日本に住んでいる中国人も70万人と首位。政令指定都市(人口規定50万人以上)一つ分を超える規模の中国人が日本に住んでいることになる。

 そして著者は警告する。「日本の土地が中国人によって買収され続けている」と。実際、北海道ではリゾート地を中心に中国企業による買収が進んでおり、その規模は168・9ヘクタール(東京ドームの約36個分)に及ぶという。しかも、今の中国はGDP世界第2位の経済力を持っている。一方、日本はバブル崩壊後は低迷が続き、人口も減少の一途。中国への抵抗力は弱まっており、今後もこの傾向は続くことが懸念される。

 では、なぜ中国人は日本の土地に執着するのか。それも本書を読めば明快にわかる。まずひとつ目は、中国本国で人口が増えすぎ、環境汚染が進んでいるため、他国に居住空間を求めているという話。そしてもうひとつは、根深い歴史的な話。かつてアジアで覇権を唱えた中華帝国も、近代は西洋列強や日本に侵略され屈辱を受ける羽目に。その惨めな思いは中国人の心に根深く存在しており、機が熟したら再び覇権を唱えるというもの。たしかに、挫折とプライドというものはそういうものかもしれない。それを裏付けるように、近年の中国は陸海空にわたって、勢力圏を拡大し続けている。

 著者はこうした中国の攻勢に対し、日本は毅然とした態度を示すべきだと説く。また、中国の最新情報にも敏感になるべきとも述べている。「ガラパゴス」と自嘲するほど海外情報に疎い日本社会だが、せめて情報のアンテナを磨き、自分の身は自分で守れるようにしたいものである。


出版社:SBクリエイティブ
書名:教えて石平さん。日本はもうすでに中国にのっとられているって本当ですか?
著者名:石 平
定価(税込):864円
税別価格:800円
リンク先:http://www.sbcr.jp/products/4797392920.html


西日本新聞 読書案内編集部

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