働き方を変えるのは40代がリミット?現状を分析しライフプランを見直す最後のチャンスです!

『40代でシフトする働き方の極意』佐藤優著
『40代でシフトする働き方の極意』佐藤優著
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 著者は、元外務省主任分析官という肩書を持ち、国策捜査に巻き込まれて知名度を上げた。現在は多数の連載をかかえ、いわゆる月産枚数は日本でもトップクラスの人気著述家である。そんな著者による「働き方」本だ。

 原稿のベースになっているのは、『BIG tomorrow』での連載。タイトルにあえて「40代」と打ち出した理由は、まえがきに記されている。ひと言でいうと、バブル崩壊後に成人となり、就職氷河期を経験した現在の40代は「運が悪い世代」だからである。しかも、

 「ソ連崩壊後、資本主義の発展が社会主義革命によって阻止されるという危険がなくなったために、資本家は躊躇なく労働者を搾取できるようになった。その結果、日本においても中産階級が急速に没落している」

 という現状がある。しかし、それを憂えているだけでは仕方がない。社会の下層へ転落しないよう、自ら生き残る努力をする必要がある。その努力の方法に関する指南書だ。

 さすが人気の著者だけあって、どこからか統計を引っ張ってきて、表面的な提言をして終わりということはない。いま働く人たちの実感に裏打ちされた分析を行った上で、具体的な行動指針を提案している。

 最初は都心の大企業に勤務する人を例にとりつつ、キャリアを考え直すにあたって、40代がいかに重要な時期であるかが説かれる。そして、たとえば、地方の中小企業に転職するのも面白いというプランが示される。

 「経営者が非常に優秀で、自社の強みを最大限生かしながら独自の経営戦略で勝ち残っている隠れた優良企業、オンリーワン企業が意外に多くあります」

 後継者難の企業なら、人材を大切にしてくれるから、自分や妻の生まれ故郷の周辺にそんな企業がないか探してみようというわけである。かといって、むやみに転職をすすめるわけではなく、転職のリスクについても述べられている。

 もちろん、大企業勤務者だけを対象とした内容ではない。家業を継いだ人から「キャバクラや風俗にハマってしまう」単身者まで、幅広い読者が視野に入っている。

 「借金が100万円をこえたら黄色信号」
 「結婚は人生最大のセーフティネット」

 など、働き方だけでなく、人生を見直す参考になる助言も多数ある。40代の人だけでなく、それより若い人たちも早めに目を通しておくことで、生活設計における後悔を減らすことができるに違いない。


出版社:青春出版社
書名:40代でシフトする働き方の極意
著者名:佐藤優
定価(税込):907円
税別価格:840円
リンク先:http://www.seishun.co.jp/book/19419/

 西日本新聞 読書案内編集部

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