「レシピを見ないで作る」という知恵の伝授、これこそが究極のレシピ!

『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』有元葉子著
『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』有元葉子著
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 まず、ちまたにあふれている料理書とは一線を画す内容である。メニューがあり、材料と分量が記載され、手順があり・・・というレシピ本ではない。女性誌にも頻繁に登場する人気料理研究家である有元葉子氏が、料理をするうえで知っておくべき大切なことを耳元で教えてくれる、そんな本だ。

 そう、料理は画一化された表面上の情報だけでは、完成はしても美味しいとは限らない。本来料理は、自分の感覚を頼りに、素材の状態を見極めて鍋やフライパンの中を確認し、味見をしながら自分で味を決める、という方法で作るもの。だから、たとえ同じ分量の調味料を入れたとしても、素材の適性や扱い方に対する知識の深さによって、味は大きく異なってくる。

 本書では、そういった料理に必要なコツ=知っているといないのとでは大きく違う『流れや勘どころ』を、野菜や魚といった素材別に、煮る炒めるなどの調理法ごとに教えてくれている。

 実際に料理教室で横に立って教えてもらっているような文章で、分量や時間などが細かく書かれているわけではない。しかし読めば間違いなく作れるようになる。つまり、行う処理や手順の意味を理解したうえで作業ができ、シンプルに自分で味付けができるようになれるのだ。

 おそらく、美味しい料理を作りたいと願う誰もがいちばん知りたい、でもなかなか手に入らない情報が本書には詰まっている。本当に料理がうまくなりたいのなら、読むべきだ。料理初心者はもちろんだが、ある程度料理を学んだひとでも、今までのやり方を見直せるに違いない。

 新しい料理書としての作り方にも工夫がされている。料理の本らしからぬ文字だけのインパクトある表紙。日頃の願望を見透かされているようで、思わず手に取りたくなる。また、本文内で料理ごとに整理されてはいないが、枠外に料理名の記載があるので意外と探しやすい。気になることが解決するQ&Aもある。重要な部分には線が引いてあるのもうれしい。

 文章だけなのに65レシピも含まれていることに驚くが、読めばもっともっと教えてほしいと思わずにはいられなくなる。貴重な知恵を惜しげもなく披露してもらえることに感謝しつつ、さらに続編を期待したくなる素晴らしい料理書だ。


出版社:SBクリエイティブ
書名:レシピを見ないで作れるようになりましょう。
著者名:有元葉子
定価(税込):1,620円
税別価格:1,500円
リンク先:http://www.sbcr.jp/products/4797393941.html

 西日本新聞 読書案内編集部

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