自分ファースト!良い関係のために、まず自分に目を向けるという逆転の発想

『図解 「人づきあいが面倒!」なときのマインドフルネス』高野雅司著
『図解 「人づきあいが面倒!」なときのマインドフルネス』高野雅司著
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 「人間関係」ほど悩ましいものはない。パートナー、親子、友人、職場・・・。ほとんどの悩みは、人との関係から生まれてくる。しかし大きな喜びもまた、人との交わりから生まれるものだから厄介なのだ。

 どうすれば悩まずに周囲との関係を良好に保てるのか。その難しい人生の課題について、本書は精神論のみならず、ズバリ実践方法まで具体的に教えてくれている。

 よくありがちなのが、気を使って相手に合わせたり、一方的に与えたりすること。表面上はうまくいっても無意識のうちに自分を抑えていれば、いつかどこかに歪みが出てしまい、結局は深くかかわることができない。

 著者は、相手に合わせて自分を変えるのではなく、実は「自分中心」でいいと説く。ただしそれは自己中心的な考え方とは異なり、まず自分自身の中で「今」起きていることに気付くための観察=「マインドフルネス」を行うこと。そして、それにより気付いた「心地よさ」をじっくり味わうことが重要だと言う。相手から心地よさを受け取れば、自ずと相手も心地よくなるという考え方だ。

 確かに、ペットを撫でているときには自分の気持ちよさのみを純粋に追求できる。言葉のコミュニケーションを超えた、著者がいうところの「ラビング・プレゼンス(相手から受け取ることで始まるプラスの循環)」が自然にできているのかもしれない。ところが、こと相手が人間になると、先入観や不安やらが先に立ってそれができなくなる。だから訓練が必要なのだ。

 本書では、ラビング・プレゼンスを習得するための方法が、実践版として図解やイラストでわかりやすく説明されている。ただし、脳や心の困ったクセを外すことは実際には少し難しい。著者の前著である「人間関係は自分を大事にする。から始めよう」(電子版あり)も併せて読めば、より詳しく理論や背景がわかり、もっと実践方法への理解が深まるだろう。

 もちろん、この方法だけですべてがうまくいくとは限らないかもしれない。でも、まずは自分が心地よいと思うことを増やしてあげよう。忙しい現代は常に意識が外に向きがち。ゆっくり内面と向き合い、自分の心と身体の声を聞いてあげるひとときが持てれば、人間関係改善以外にも、きっと人生に役立つはず。あれこれ考えるのではなく、自分の感覚をもっと大事にしていいんだと、心がすーっとラクになるような気付きを与えてくれる、そんな1冊である。


出版社:青春出版社
書名:図解 「人づきあいが面倒!」なときのマインドフルネス
著者名:高野雅司
定価(税込):1,296円
税別価格:1,200円
リンク先:http://www.seishun.co.jp/book/19566/

 西日本新聞 読書案内編集部

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