風俗、闇サイト、高齢者の麻薬密輸……日本にはびこる「闇ビジネス」の実態

『日本の「地下経済」最新白書』門倉貴史著
『日本の「地下経済」最新白書』門倉貴史著
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 「JKビジネス」をご存知だろうか。うら若き女子高生が男性客に会話や散歩、添い寝、マッサージなどのサービスを提供するビジネスのことで、2014年には「新語・流行語大賞」にもノミネートされている。ビジネスの形態も多種多様で、下着が見えそうな姿で折り鶴を折る女子高生をマジックミラーでのぞき見る「JK作業所」、占いという名目で客と女子高生のプライベート空間を演出する「JK占い」など枚挙に暇がない。

 もちろん、ただ「見る」「話をする」だけではない。性的な行為がオプションとしてつけられている場合も多く、摘発が相次いでいるという。

 本書はこうした風俗産業から貧困ビジネス、闇サイトでの違法ドラッグ取引、人身売買まで、人知れずうごめく日本の「地下経済」を詳細なデータとともに紹介したものだ。著者はフジテレビ「ホンマでっか!?TV」でも人気を博しているエコノミスト・門倉貴史氏。幾度もの取材や統計によって浮き彫りにされたその実態に、「こんなに非合法ビジネスが転がっているのか!」と驚きを禁じ得ない。

 中でも興味深いのが「乱交パーティー」による荒稼ぎとフリマアプリを利用した貧困ビジネスだ。前者はネット掲示板やSNSなどを通じて参加者を募り、参加費を徴収して会場にある程度の人数が集まったところで順番にシャワーを浴びるというもの。その後、談笑していい雰囲気になったところで乱交プレイを楽しむ、という訳だ。パーティの主宰で1回につきなんと20万円を稼ぎ出す主婦もいるが、参加者は公然わいせつ罪、主宰者は売春防止法違反に問われる可能性があるという。

 一方後者の例として、フリマアプリ「メルカリ」に現金が出品され、落札されたという事件が話題となった。著者によれば、ただちに現金が必要な多重債務者がクレジットカードを利用して購入している可能性が高いという。どちらのビジネスも犯罪に無縁そうな一般人が関わっているというのが恐ろしい。端的に言えば、お隣の感じのいい奥さんがこのような「黒いビジネス」の首謀者である可能性だってあるのだ。

 澄んだ空気の中、きれいに整備された街を歩いているあなた。しかし、その隣では闇の入口がぽっかりと口を開けているかもしれない。ふと、そう考えてしまう一冊だ。


出版社:SBクリエイティブ
書名:日本の「地下経済」最新白書
著者名:門倉貴史
定価(税込):886円
税別価格:820円
リンク先:http://www.sbcr.jp/products/4797392463.html

 西日本新聞 読書案内編集部 

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