楽観的でも大丈夫!100年人生を楽しむために今すぐ始めるべきこと

『定年後でもちゃっかり増えるお金術』松崎のり子著
『定年後でもちゃっかり増えるお金術』松崎のり子著
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 「人生100年時代」といわれる今、リタイア後に待つ長い人生を、どうすればお金の不安なく生活できるか。40~50代にとっては目前に迫る切実な問題だ。

 ちまたには資産運用に関する情報があふれ、老後資金を増やすことに多くの関心が集まっている。しかし本書は、投資などの方法でただお金を増やすための指南書ではない。著者が提案するのは、まずは消費を見直すこと。生活をスリム化して、年金のみでの生活でも問題ないぐらいの支出に、今のうちから抑えることである。つまりリタイア後の自分の生活を、いかにして収入・支出のバランスのとれた状態にもっていくかの合理的なアドバイスだ。

 極めて当たり前のことかもしれない。だが、60代になったからといって勝手に生活がサイズダウンできる訳はなく、実際には自分が意識しない限り変えられないもの。その意識改革には具体的な気づきが必要となる。

 本書では、消費のクセを認識することから始まり、ムダの自覚、年金のしくみ、将来必要な金額などについて、はっきりと現実を見つめることからスタート。逆算して今やるべき貯蓄へと進み、その先に、お得な制度の利用法や、さらには定年後も収入を確保するための準備といった、長い人生を安心して楽しむための秘訣が網羅されている。

 生活情報誌でマネー記事に長く携わってきた著者だけあって、取材で感じた実体験を元に多方面からリタイア後の生活設計について解説してくれており、いろいろと役立つ情報も多い。著者が自身で行った準備にも学ぶべきところがある。

 特に印象深いのは、心身の健康についての記述だ。「嫌なことはなるべく避け、好きなことを選んで、ほどほどに働き続け、本当に自分が価値を置くものにだけお金を使う」

 こう著者が言うとおり、そもそも健康が大前提で、それはお金を貯めるためにも必要なこと。実際に副編集長として激務にあたってきた著者だからこそ言える、長い人生を幸せに生き抜くための真実が伝わってくる。ストレスだらけの毎日を送っている40~50代にこそ見習ってほしい、等身大の言葉だと思う。

 豊かなシニアになるのは、大金がなくとも自分の心掛け次第で可能だ。あまり悲観的にならずに、でもキッチリとできることから始めようという気にさせてくれる、明るく前向きな一冊だ。


出版社:講談社
書名:定年後でもちゃっかり増えるお金術
著者名:松崎のり子
定価(税込):1,080円
税別価格:1,000円
リンク先:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000190814

 西日本新聞 読書案内編集部

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