話下手でも怖くない! 孫正義氏も唸(うな)った一流プレゼンのコツ

『1分で話せ』伊藤羊一著
『1分で話せ』伊藤羊一著
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 親譲りの人見知りで子どもの時から損ばかりしている。社会人になってからはなおさらだ。緊張しながら渾身(こんしん)のプレゼンテーションをしたのに「よく分からない」とか「つまらない」とか一蹴される。その度、泣く泣く夜なべをしてプレゼン資料を作り直す……。そんな人もいるのではないだろうか。

 「プレゼンが苦手」というビジネスマンは多い。「相手に伝わらない」ことを恐れるあまり、ありったけの情報を詰めこんで説明する者もいる。しかし人は、相手の話の8割を聞いていない。だからこそシンプルに「1分で話す」よう心がけるべきだと語るのが本書の著者・伊藤羊一氏だ。

 著者は大会で孫正義氏をも唸(うな)らせたプレゼン能力の持ち主。いわく、プレゼンの極意とはまず「左脳」と「右脳」に訴えかけることだという。つまり、理解してもらうための「ロジック」と人を熱狂させる「マインド」が必要ということだ。本書では、そうした心構えをはじめ、プレゼンを強力な武器にするコツが7章にわたって紹介されている。

 例を挙げよう。3章でとりわけ目をひくのは、「中学生が理解できるレベルの言葉しか使わない」というコツだ。

 これは著者がビジネスパーソン向けニュース番組の取材を受けた際、テレビ局のディレクターから指摘されたものだという。その番組は「大人でも、少し難しい言葉を使うとすぐ分からなくなってしまう」と中学生レベルの語彙を駆使して制作されていた。

 それをプレゼンにも適用したところ、「すっと頭に入ってくる」と評価が急上昇したのだそう。「デキるビジネスマン」ぶって難解な専門用語を操るより、かみ砕いた方がよっぽど「デキるビジネスマン」に近い……ということだ。

 また、プレゼンにとって重要なのは「相手を動かしてなんぼ」。プレゼンはあくまで、自分の理想のゴールに相手を持っていくことにある。そう意識すれば、プレゼン前の根回しや席配置、プレゼン後のフォローまでトータルで設計するのがいかに重要かわかる。著者は、上司に提案をする際には事前に可能な限り「こういう話をする」という情報を伝え、心の準備をしてもらうという。プレゼンに対する考えが根底から覆されたのだが、「相手を動かす」点から考えればナットクである。

 本書を読めば、きっとプレゼンが怖くなくなるに違いない。それだけでなく、日常会話でも一目置かれそうだ。いいことずくめではないか。


出版社:SBクリエイティブ
書名:1分で話せ
著者名:伊藤 羊一
定価(税込):1,512円
税別価格:1,400円
リンク先:http://www.sbcr.jp/products/4797395235.html

 西日本新聞 読書案内編集部

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