ワクワクが脳を刺激する!熱中体験サイクルは子どもへの偉大なプレゼント

『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て 『賢い子』は図鑑で育てる』瀧 靖之著
『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て 『賢い子』は図鑑で育てる』瀧 靖之著
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 AI(人口知能)の進歩はめざましい。

 すでに回転寿司店の受付にもロボットのペッパーくんがいるし、企業のオフィスでは、「RPA」というAIにルーティンワークを教え込ませる技術が積極的に採用されている。今後おそらく想像以上の速さと規模で私たちの仕事はAIに取って代わられるだろう。今までのスキルや知識が何の役にも立たなくなる日がきっとくる。しかも「人生100年時代」だ。自分たちはもとより、これから育っていく子どもたちが長い人生を幸せに生きていくために、果たしてどうすればよいのだろうか。

 著者は、その鍵は「学び続けること」にあるという。AIをうまく利用し共存していくためには、新しい技術を学ぶことをずっと楽しめる力を養うことが必要であると説く。確かに、楽しいと感じることであれば続けられる。学ぶ=楽しい!のであれば、いつまでも楽しく生き残っていけるかもしれない。

 では、学ぶことを好きになるためにはどうするか。ズバリ、幼少期に「図鑑」を与えることが最適なのだという。図鑑が好奇心を生み、意欲と脳を育て、ひいては思考力へと導く。単純に図鑑で知識を増やす、ということではなく、まず図鑑を見て興味を持つ、そして熱中するという行為そのものが重要なのだ。この熱中体験こそが次に学ぶ楽しさを生み出してくれる。

 著者は長年脳の研究を続けてきた著名な脳医学者だ。脳のスペシャリストだからこそわかる、脳を発達させ最大限力を発揮させるための「科学的な子育て法」を提案している。本書でも、最適なツール=図鑑を使っての、実践的な脳の鍛え方を的確に教えてくれている。子育ての心構えに対するアプローチとは違い、ダイレクトに脳を鍛えるための年齢に合わせた刺激の方法と、その目的までわかるようになっているところが興味深い。年齢ごとのおすすめの図鑑も掲載されており、購入の参考になるだろう。

 脳の臨界期は分野ごとに0歳から始まるそうだ。後悔しないために、本書を子育て前になるべく早く手に取っておきたい。熱中体験サイクルがうまく回りだし、子どもが自分で幸せな人生を切り拓く力をつけてくれれば、子どもにとっても親にとっても、これほど幸せなことはないに違いないのだから。


出版社:講談社
書名:16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て 『賢い子』は図鑑で育てる
著者名:瀧 靖之
定価(税込):1,512円
税別価格:1,400円
リンク先:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000312311

 西日本新聞 読書案内編集部

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