脳は何歳になっても成長する!認知症にならない習慣を身につけよう

『定年後が楽しくなる脳習慣』加藤俊徳著
『定年後が楽しくなる脳習慣』加藤俊徳著
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 認知症が起こる仕組みを知っているだろうか。普通の人は50歳を境にして脳の成長力より老化度が上回り、認知機能は衰えていく。これをグラフにすると、山なりに下降していく脳の成長力のカーブを右肩上がりとなる老化度のカーブが追い抜くポイントがある。その「交差年齢」が人によって異なる。認知症になる人というのは、この交差年齢が50歳より前に訪れ、さらに成長力が低下することで、認知症を発症するレベルまで落ち込む。

 ここまで聞いて、脳科学に興味のある人はピンときたかもしれない。最近はテレビ番組でも取り上げられることが増えたが、現在の脳科学の常識では、人間の脳というのは、年を取っても成長するのだ。つまり、いつまでも脳を成長させるように心がけていれば、交差年齢は50歳よりはるかに後ろへもってくることができる。ついに老化の速度が成長力の速度を上回るときがきても、成長を維持すれば、認知症発症レベルまでカーブが落ち込むことはない。

 では、どうすれば、脳を成長させることができるのか。著者はこれまで「脳トレ」の本も出しているが、今回は「もっと深いところで自分と脳を理解してほしいという思い」から脳にとって好ましい考え方、行動について記している。といっても、軽いエッセイの類ではない。文章は平易だが、「脳番地」という考え方を取り入れたトレーニングの提唱者である著者らしい、裏づけのある話である。

 「脳番地」とは、脳を町に見立てて、同じような働きをする細胞の集団に「番地」を付与したもの。約120ある番地は機能別に8つに大別できるが、ひとつのことを実行するにあたっては、相互に連絡を取り合っている。そのネットワークのバラエティが多い人ほど、脳機能を存分に活用しているといえる。

 こうした理論を土台としながらも面倒な脳の仕組みの話ではなく、日々どのような習慣をもって暮らせばいいのか具体的なアドバイスを記した内容となっている。とくに、人生の後半生をネガティブにとらえ、不安を感じている人におすすすめだ。


出版社:潮出版社
書名:定年後が楽しくなる脳習慣
著者名:加藤俊徳
定価(税込):820円
税別価格:759円
リンク先:http://www.usio.co.jp/html/books/shosai.php?book_cd=4205

 西日本新聞 読書案内編集部

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