岡村靖幸と一緒に多様性の迷宮へ。結婚とは、幸福とはいったい何?

『岡村靖幸 結婚への道 迷宮編』:岡村靖幸著
『岡村靖幸 結婚への道 迷宮編』:岡村靖幸著
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 元は「GINZA」という、女性をターゲットとしたファッション月刊誌に連載された人気対談である。結婚願望を持つカリスマミュージシャン岡村靖幸をホスト役に、連載の開始は2012年。それから2018年の連載終了まで、彼は70人近くのさまざまな分野で活躍する人々と、ひたすら「結婚」をテーマに対話をしてきた。本書は、連載後半の38人(「anan」での特別編1人をプラス)分を「迷宮編」としてまとめた、豪華な単行本第二弾だ。

 第一弾と同じく、本書の対談相手は、実に多種多様な有名人。桃井かおりに始まり、高橋源一郎や高須克弥&西原理恵子、石田純一、加藤登紀子など、波乱万丈な人生とともに、そのドラマティックな結婚についてもある程度世間に知られている人も多い。さらに上野千鶴子や内田樹など、こと結婚については一家言を持つ強者たち。あるいは、未婚の女優やお笑い芸人、また、離婚を経験したアーティストやミュージシャン、事実婚を選ぶ作家、入籍にこだわる映画監督など・・・職業も、結婚に対する立ち位置や意識も、さまざまに違う人々が並ぶ。

 個人的に今まで勝手に抱いていたイメージとは違うが、岡村靖幸は結婚したいと願い、結婚とは何かを追求しているという。その彼が、ますます結婚がわからなくなったと述懐するとおり、これらすべてのインタビューから見えるのは、まさに38人38様の、さまざまな結婚をめぐる思いと、日常生活や幸福の多様な在り方だ。

 それぞれの結婚観=人生観はひとつ残らず興味深く、新鮮で驚く。さらには一歩踏み込んだ、結婚に至るまでの本当のストーリーや、意外な結婚生活の実態などが語られ、読み進めるうちにどんどん引き込まれていくと同時に深く考えさせられることも多い。

 結婚とは?の問いには、きっと正解がないのが正解。現代の、そしてこれからの「結婚」と呼ばれる関係は、ますます多様性を帯びて、幸せのカタチは本当に人それぞれでいいんだな・・・と再確認した。

 インタビュアーの岡村靖幸は、事前に対談相手の過去の発言や作品などの資料を相当読み込んでおり、質問が的確。自身はあまり前に出ず、読者の知りたいことをちゃんと引き出してくれている印象を受けた。人生の指針に満ちあふれた、読み応えのある対談集だ。若い女性だけでなく、老若男女すべての人が自分なりに幸福について考えるきっかけをくれる、意義深い内容だと思う。


出版社:マガジンハウス
書名:岡村靖幸 結婚への道 迷宮編
著者名:岡村靖幸
定価(税込):2,160円
税別価格:2,000円
リンク先:https://magazineworld.jp/books/paper/3025/

 西日本新聞 読書案内編集部

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