京都市 「あさ」と新選組に浸る

広岡浅子が実家に送った手紙のコピー
広岡浅子が実家に送った手紙のコピー
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三つの時代が息づく旧三井家下鴨別邸の主屋と茶室(右)
三つの時代が息づく旧三井家下鴨別邸の主屋と茶室(右)
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新選組が宴会を楽しんでいた角屋の大座敷「松の間」
新選組が宴会を楽しんでいた角屋の大座敷「松の間」
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京都伝統産業ふれあい館では京友禅の染め付けが体験できる
京都伝統産業ふれあい館では京友禅の染め付けが体験できる
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 清水寺や金閣寺など世界的に有名な観光スポットがひしめく京都。数々の歴史の舞台となってきた古都には、今もドラマが息づく。NHK連続テレビ小説「あさが来た」や新選組のファンにとって「聖地」とされる京都市内のスポットを巡った。

 まず訪れたのが、京都の豪商、三井家の別邸として1925年に完成した「旧三井家下鴨別邸」(左京区下鴨宮河町)。「あさが来た」の主人公のモデル、広岡浅子ゆかりの地として注目を浴びている。昨年10月に一般公開が始まった新しいスポットだ。

 三井家に生まれた浅子の実家は別邸の近くにあり、大阪に嫁いだ後も別邸をたびたび訪れていたとか。浅子が実家に宛てた手紙のコピーが展示されており、「あさ」ファンのお目当ての一つになっている。

 敷地には、大正期のオリジナルの別邸玄関棟が残るほか、明治期の建物を移築した主屋、江戸後期のものとされる茶室もある。担当者は「江戸、明治、大正の3時代の建物が一つの場所にそろっているのは大変貴重。歴史を感じてほしい」とアピールする。

    ◇   ◇

 次に向かったのは、1641年に開設された遊宴の街・島原。芸妓(げいこ)の歌や舞を楽しみながら食事ができた揚屋(あげや)のうち、当時から唯一残る「角屋(すみや)」(下京区西新屋敷揚屋町)は新選組の御用達として知られる。

 初代筆頭局長の芹沢鴨は1863年、角屋の大座敷「松の間」で開かれた宴会で泥酔し、戻った宿舎で寝込みを襲われて暗殺された。柱には別の宴会で泥酔して暴れた隊士が付けた刀傷も残っており、激動の時代を生きた新選組をしのぶにはもってこいの場所だ。

 建物は現在、「角屋もてなしの文化美術館」として活用されており、一度に100人分の調理ができた五つのかまどが並ぶ台所や、市の指定名勝「臥龍松(がりょうのまつ)の庭」などが見学できる。

    ◇   ◇

 京都の魅力は歴史だけではない。伝統工芸74品目約500点を常設展示している「京都伝統産業ふれあい館」(左京区岡崎成勝寺町)では、300年を超える伝統がある京友禅の染め付けを体験した。

 まずは35種類ほどある型紙から、生地に写したい図柄を選ぶ。花火とトンボが見栄えが良さそうだ。染料は5色あり「はけをたたきつけるように色を染み込ませると、きれいな仕上がりになりますよ」。手ほどきを受けながら、花火は紫と緑の2色に、トンボは赤と黄色を塗り重ねオレンジ色に仕上げた。着色後にアイロンをかけて出来上がり。まったくの初心者だが、京友禅ならではの上品な出来栄えとなった。

 京都観光の「定番」からは、ちょっと外れたスポットを歩き、古都の奥深さを再認識できた一日だった。

 ●メモ

 ■旧三井家下鴨別邸 午前9~午後5時、休館は毎週水曜(祝休日の場合は翌日)と12月29~31日。075(366)4321

 ■角屋もてなしの文化美術館 開館は7月18日までと9月15日~12月15日の午前10~午後4時、月曜休館(祝休日の場合は翌日)。075(351)0024

 ■京都伝統産業ふれあい館 開館は午前9~午後5時、休館は8月22、23日と12月29日~1月3日。075(762)2670

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 ●寄り道=大衆演劇 ショー華やか

 「よっ、座長!」。華やかな舞踊ショーの合間に、女性たちの掛け声が飛び交う。大阪市北区太融寺町の大衆演劇専用劇場「梅田呉服座」は、平日の昼にもかかわらず247の座席が全て埋まっていた。

 JR京都駅から新快速で約30分、大阪駅からは徒歩圏にある。出演する劇団は1カ月の公演期間中、劇場に住み込み、公演後に次の劇場に移動する「旅一座」。公演は芝居とショーで構成されており、観客と役者の距離が近いのが特徴だ。この日は、二代目恋川純さん(26)が座長を務める「桐龍座 恋川劇団」の舞台だった=写真。恋川さんのファンだという青木すえのさん(62)は「歌舞伎より気軽に楽しめるのが魅力です」と話していた。

 梅田呉服座は昼、夜の2回公演で、木戸銭は一般2千円。梅田呉服座=06(6367)0529。


=2017/04/24付 西日本新聞=

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