ハノイ(ベトナム) ぶらっと異国散歩

ホアンキエム湖のほとりでは、多くの市民や観光客がくつろいでいた
ホアンキエム湖のほとりでは、多くの市民や観光客がくつろいでいた
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古い商店が密集する旧市街の細路地を、バイクがすり抜けていく
古い商店が密集する旧市街の細路地を、バイクがすり抜けていく
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ご当地スイーツとして人気の「チェー」
ご当地スイーツとして人気の「チェー」
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細い米麺を甘辛いたれに浸して味わうブンチャー
細い米麺を甘辛いたれに浸して味わうブンチャー
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湖畔ではスポーツをする人も多い。若者グループは綱引きに興じていた
湖畔ではスポーツをする人も多い。若者グループは綱引きに興じていた
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ホアンキエム湖と緑を背景に記念撮影する女性
ホアンキエム湖と緑を背景に記念撮影する女性
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 ベトナムの首都ハノイ。目覚ましい経済発展を象徴する高層ビルと、フランス植民地時代の風情を残す西洋建築が混在する景観は、多くの観光客を魅了する。中心にある観光スポットの定番、ホアンキエム湖を起点に、ぶらりと街を散策した。

 ハノイ駅から、歩いて約20分。バイクの波をすり抜け、細い路地を通った先に緑に囲まれた湖があった。

 ベトナムが中国の明に支配された15世紀初頭。後のベトナム黎朝の皇帝が、神から授かった宝剣で明を撃退し、神の使いである湖の大亀を通じて宝剣を返した-。湖にはこんな勇ましい伝説が残る。

 今、湖は市民の憩いの場になっている。民俗衣装アオザイを着て写真を撮る少女、ジョギングや縄跳びを楽しむ若者グループ、芝生の上で身を寄せるカップル…。外周約2キロの湖のほとりで、人々が思い思いの時間を過ごす。中央に小島があり、赤い橋で渡ることができる。その光景は福岡市民のオアシス、大濠公園にそっくりだ。

 「イラッシャイ、マケルヨ」。ベンチで一休みしていると、露店の女性がたどたどしい日本語で、一口サイズの揚げパンを勧めてきた。押しの強い売り込みに負け、試しに購入。もっちりした歯ごたえと、ほのかな砂糖の甘み。散策の合間のおやつにはぴったりなのだが…。値段は4万ドン。日本円に換算して約200円は、物価の安いベトナムにしては割高だ。

 湖の北には、かつて宮廷への献上品をつくった職人が集まった旧市街が広がる。迷路のように入り組む路地に、紙細工や銀製品、雑貨などの店が無数に連なり、歩き回るだけで楽しい。案内役の女性に誘われ、ご当地スイーツ「チェー」の販売店で一休み。ココナツミルクにドリアンを入れた冷たい甘味を口にすれば、疲れも吹き飛ぶ。

 旧市街で異国情緒を感じた後は、ベトナムのつけ麺「ブンチャー」の店へ。細い米麺を豚バラの入った甘辛いたれに浸してすする。別皿で春巻きも頼めば、フルーティーなハノイビールとの相性もばっちり。「ここは、あの有名人も来たのよ」。ベトナムの友人が指さしたのは、壁にかかる写真。食卓に座るオバマ前米大統領が、ご満悦の様子で写っていた。

 夜の帳が降りると、ホアンキエム湖はライトアップされ、街はにぎやかさを増す。旧市街の路地は人でごった返し、仕事を終えた人々が、飲食店前の通りに置かれたテーブルで酒盛りを始める。目の前をどんどんバイクが通り過ぎる中で、嬌声(きょうせい)が響く。国民の平均年齢は20代後半。若く活気に満ちたベトナムには、日本の高度経済成長期のような勢いがある。

 「10年、20年もすれば、日本に追いつくよ」。ベトナムで出会った若者の言葉が、妙に印象に残った。

 ●メモ

 ベトナムには、福岡空港からハノイとホーチミンへの直行便が出ている。所要時間は約4~5時間。南北に細長い国土で、気候も大きく異なる。ハノイなど北部は亜熱帯性気候で四季の変化が見られ、夏場(5~10月)は40度前後になることもある。ホーチミンなど南部は熱帯モンスーン性気候で、年間平均気温は25度以上。一年を通して高温多湿で、5~10月に雨期を迎える。

 ●寄り道=伝統、躍動 人形劇

 ハノイのホアンキエム湖のそばにある「タンロン水上人形劇場」では、ベトナムの伝統芸能を楽しめる。人間や竜、牛、亀などの人形が4メートル四方のプールを自由に動き回り、ベトナムの文化や歴史を表現する。舞台の脇では伝統楽器や民族歌謡による演出もあり、劇の展開を盛り上げる。公演はベトナム語だが、水しぶきを上げて躍動感ある人形の動きは必見だ=写真。1日4、5回の公演があり、1回約50分と気軽に観賞できる。チケットは10万ドン(約500円)~6万ドン(約300円)。


=2017/11/20 西日本新聞=

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