ソウル(韓国) ディープな穴場を歩く

多くの買い物客でにぎわう望遠市場
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たくさんの野菜などが並べられた望遠市場の商店
たくさんの野菜などが並べられた望遠市場の商店
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かつて王都の内外を隔てていたという石壁
かつて王都の内外を隔てていたという石壁
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壁に描かれた天使の羽の前では多くの若者が写真を撮っていた
壁に描かれた天使の羽の前では多くの若者が写真を撮っていた
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韓国のさまざまな酒が楽しめる伝統酒ギャラリー
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 「フィンランドに行った」「ハワイは楽しかった」。近頃、周囲で海外旅行の話をよく聞く。「私も行ってみたい」と思ったものの、いったいどこの国がいいのか。友人に相談すると、日本ではあまり知られていない韓国のディープな観光地が穴場だと教えてくれた。20年ぶりにパスポートを取って、韓国・ソウルに向かった。

 福岡空港から1時間半。仁川国際空港に降り立った。ガイドの女性李貞兒(イジョンア)さんと合流し、ソウル中心部に向かうバスに乗る。ガイド歴20年以上という李さんによると、昨年は北朝鮮情勢の悪化で外国からの観光客が大幅に減ったといい「ガイドを始めて一番暇だった。MERS(中東呼吸器症候群)が流行した時もこれほどではなかった」という。ただ、今年は南北関係の緊張緩和もあり、回復傾向にあるらしい。

 バスで約1時間、最初に向かったのはソウル西部の望遠(マンウォン)市場。市場は日本の商店街にあたる。アーケード近くの路地から、既に左右に商店が軒を連ね、肉や魚が道路にはみ出すように並べられている。アーケードに入ると、客を呼び込む声が大きくなり、日本の商店街では見られぬ活気に圧倒される。

 望遠市場のグルメは最近、韓国国内のメディアに頻繁に取り上げられているという。唐揚げに甘辛いソースをかけた「タッカンジョン」という名物を買おうと、つたない英語で話しかけるが、なかなか通じない。見かねた李さんが代わりに買ってくれた。紙コップに入った約300円のタッカンジョンは思ったほど辛くなく、鶏肉が柔らかくてうまかった。市場は、韓国の人々の普段の暮らしぶりに触れられる場所として、最近は外国人の観光客が増えているという。

 次に訪れたのは、日本でも有名なファッションの街、東大門(トンデムン)の近く。住宅街に向かう坂を登ると道の右側に長い石壁が見えてきた。14世紀からの朝鮮王朝時代に当時の王都の内外を隔てていた壁という。当時の貴族「両班」はこの壁の内側に住み、庶民は外に住んでいたという。石壁の内側には、今も、当時の姿を残した瓦ぶきの家が連なっていた。

 坂を上り切ると3メートルほどの大きな白い羽が描かれた壁があった。数人の若者が壁を背にスマートフォンで撮影をしている。ここは梨花洞(イファドン)という地域。以前、芸術家が集まり、多くの壁画が描かれたために「壁画村」と呼ばれている。羽の壁画は韓国のドラマのロケ地となったことなどで話題になり、SNS(会員制交流サイト)で拡散。最近は「インスタ映え」を狙って、日本からの観光客も訪れているという。

 最後に訪れたのがソウル南部の江南地域にある「伝統酒ギャラリー」。無料で5種類の酒が試飲でき、韓国産のワインやブランデーをいただいた。印象的だったのは「竹の酒」。清酒に竹の油を混ぜた酒で、竹林が多かった地域で造られていた伝統酒だそうだ。口に含むと、最初は薬のようにつんとするが、とろんとして芳醇(ほうじゅん)な味わいがある。

 施設には日本語のスタッフもおり、約300円払えば10種類の酒が試飲できる。左党にはたまらない施設だ。施設幹部は「韓国は2千以上の伝統酒がある。外国の人々にも楽しんでほしい」と話していた。

 ●メモ

 仁川国際空港へは九州各県から直行便があり、福岡空港からは格安航空(LCC)の便数も多い。空港からソウル中心部へはリムジンバスのほか、鉄道でも行ける。現地の観光情報は韓国観光公社福岡支社=092(471)7174。

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 ●寄り道=世界の有名人が一堂に

 ソウル市中区にある「グレヴァン蝋人形体験博物館」も隠れた人気スポット。「江南スタイル」で有名な歌手のPSYなどの韓流スターをはじめ、ハリウッドスターやスポーツ選手、歴史上の偉人、さらには前米大統領のオバマ氏=写真=などの政治家までリアルなろう人形約80体が並ぶ。

 人形には触れられるほか、執務室に座るトランプ米大統領などと並んで写真を撮ることもできる。だまし絵や自分の立体画像をコンピューターグラフィックで作るコーナーもあり、大人から子どもまで楽しめる。

=2018/05/23付 西日本新聞夕刊=

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