京都市 酷暑の古都で維新の風

国の重要文化財に指定されている角屋
国の重要文化財に指定されている角屋
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愛犬を連れた西郷隆盛の肖像画。良く知られた肖像画とだいぶ趣が違う
愛犬を連れた西郷隆盛の肖像画。良く知られた肖像画とだいぶ趣が違う
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西郷隆盛を介錯した刀
西郷隆盛を介錯した刀
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「吉」だった御香宮神社の水占い。「心ひきしめて事にあたるが肝要」とあった
「吉」だった御香宮神社の水占い。「心ひきしめて事にあたるが肝要」とあった
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細かい意匠が施された角屋の広間。ふすま絵も美しい
細かい意匠が施された角屋の広間。ふすま絵も美しい
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現在もお茶屋として営業する輪違屋
現在もお茶屋として営業する輪違屋
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輪違屋に残された近藤勇直筆の書
輪違屋に残された近藤勇直筆の書
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 今年は明治維新から150年。NHK大河ドラマで「西郷(せご)どん」が放送されるなど、維新の時代に活躍した志士たちが注目を浴びている。神社仏閣を巡るのが定番ともいえる京都で、維新150年を記念した観光バスの特別コースが運行されている。梅雨明けしたばかりの猛暑日の京都市を訪れ、ツアーに参加した。

 バスは京都駅前を午前10時20分に出発。まずは東山の「幕末維新ミュージアム霊山(りょうぜん)歴史館」に向かう。日本唯一の幕末維新を専門に扱った博物館で、展示品の中には、坂本龍馬が暗殺された「近江屋事件」(1867年)の現場を再現した模型や龍馬を斬(き)った刀などが展示されている。

 同館では大河ドラマにちなみ西郷隆盛に関する資料を集めた「大西郷展」を9月2日まで開催中。有名な肖像画とは趣の異なる愛犬を連れた西郷の肖像画や直筆の書、西郷を介錯(かいしゃく)した刀など約100点があり、みどころ満点。木村武仁学芸課長(45)は「昨年は大政奉還から150年、今年は維新150年で盛り上がっており、入館者も増えている」と話していた。

 歴史館の向かいは幕末志士をまつった霊山墓地。今回は時間がなく参れなかったが、龍馬や桂小五郎のほか、横井小楠や平野国臣など九州ゆかりの人物の墓碑が建てられている。

 続いては、戊辰戦争の発端となった鳥羽伏見の戦い(68年)で官軍の屯所だった御香宮(ごこうのみや)神社へ。ここには環境省の名水百選に指定された「御香水」があり、水に漬けると文字が浮き出る水占い(300円)が販売されている。さっそく試してみると、旅行運は「しばらく先にあずけた方が吉」。旅真っ最中なのに、ちょっと複雑な気分になった。

 昼食は近鉄伏見駅近くの料亭「清和荘」で京都の夏の食材をたっぷり使った京料理を満喫。玄関そばには新選組の近藤勇が狙撃された地を示す石碑があった。

 最後は、旧花街(歓楽街)だったJR嵯峨野線丹波口駅近くの通称「島原」地区へ。江戸時代から供宴の場として用いられてきた角屋(すみや)は、「揚屋(あげや)」と呼ばれた宴会場で国の重要文化財。新選組の刀傷が残る柱や、西郷隆盛が行水に使ったたらいが残されていた。美しい内装は細部まで意匠が凝らされており、和歌や俳諧など文芸活動のサロンとしても活用されたという。

 かつては角屋に芸妓(げいこ)や太夫(たゆう)(文芸などにも秀でた芸妓)を派遣していた「輪違(わちがい)屋」にも立ち寄った。近藤勇が太夫に請われて書いたとされる書が残されていた。

 なぜ島原なのか。1641年に京都の別の場所からこの地に移転する際に騒動が起き、同時期に長崎であった島原の乱を思わせたことから、このような呼び名が付いたという。

 この日の京都市の最高気温は35・9度。酷暑の中、涼しい観光バスでの移動は快適そのもの。有名どころは既に訪れた“京都通”の人こそ、楽しめるツアーなのではないかと感じた。

 ●メモ

 今回紹介した京都定期観光バス特別コースは9月30日まで運行。毎週月曜は運休。所要時間は6時間~6時間半。料金は大人(中学生以上)9200円、小児6410円。問い合わせは、京都定期観光バス予約センター=075(672)2100(午前7時40分~午後8時)。

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 ●寄り道=多彩な車両が勢ぞろい

 JR京都駅中央口から西へ徒歩約20分。梅小路公園内に2016年4月、京都鉄道博物館が開館した。蒸気機関車(SL)専門だった「梅小路蒸気機関車館」を拡張、リニューアルしたもの。SLをはじめ新幹線車両や電気機関車、客車など多彩な車両が展示されている。

 運転を体験できるシミュレーターやジオラマ模型などのほか、食堂車として使われていた客車で食事もでき、一日中楽しめる。

 開館時間は午前10時~午後5時半。入館料は一般1200円、大学・高校生千円、中学・小学生500円、幼児200円。

=2018/07/18付 西日本新聞夕刊=

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