政府推進の「企業主導型保育所」 需給のミスマッチ目立つ

福岡では、課題を解決するために事業者同士が連携して知恵を絞っている=16日、福岡市東区(写真の一部を加工しています)
福岡では、課題を解決するために事業者同士が連携して知恵を絞っている=16日、福岡市東区(写真の一部を加工しています)
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 政府が待機児童対策の目玉として2016年度に始めた企業主導型保育所。東京新聞が「ニュースあなた発」で報じた記事によると、助成金の手厚さから開設ラッシュが続く中、「待機児童ゼロ」の埼玉県小鹿野町にも企業主導型保育所ができているという。企業主導型保育所を巡る需要と供給のミスマッチは九州でも目立つ。

 厚生労働省によると、昨年4月時点での待機児童数は福岡県筑紫野市が181人と九州最多。人口の多い福岡市は認可保育所の増設などで前年比49人減の40人だった。一方、公益財団法人・児童育成協会によると、昨年3月末時点の企業主導型保育所の助成決定数は福岡市で101施設(定員計2640人)なのに対し、筑紫野市は5施設(同80人)。設置者が地域の保育ニーズを十分把握していないことが一因とみられる。

 全国的に定員割れ、短期間での閉鎖といったトラブルが相次ぐ中、福岡市などで企業主導型保育所を運営するオズカンパニー代表取締役の小津智一さん(46)は昨年、事業者間連携の会を立ち上げた。事業者同士で情報を共有し、課題を解決しようという試みだ。

 企業主導型保育所の場合、初めて保育所運営に乗り出す設置者が多い。しかし認可外保育所なので自治体のコントロールは及ばず、制度運営の実務を担う児童育成協会のサポートも基本的に電話のみで手厚いとは言い難い。小津さんは「困り事を相談できる場があれば報じられているトラブルも防げるのでは」と話す。

 昨年11月の初会合には福岡市内13事業者の17人が参加。「監査はどのように実施されるのか」など実務的な質問、疑問を出し合った。参加した阿部直毅さん(43)は「当事者ならではの悩みを相談でき、解決策も共有できた」と話す。今後はインターネット上の掲示板などを活用して運営ノウハウの蓄積を目指す。

 2回目の会合は19日午後3時、福岡市中央区の福岡パルコ新館5階「ルポ211」。問い合わせは事務局の久保山宏さん=info@place‐edu.com
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【ワードBOX】企業主導型保育所

 待機児童解消の切り札として導入。企業などが従業員向けに設ける施設で、公益財団法人・児童育成協会の審査を経て、基準を満たせば開設費用の4分の3相当の助成金が支給され、運営でも認可施設並みの助成金を受け取れる。幅広い企業が負担する事業主拠出金が財源。昨年3月現在、全国に2597カ所ある。

=2019/01/18付 西日本新聞朝刊=

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