警官執筆料「贈与報告書」提出せず 警視正ら5人660万円 県警など、報酬5000円以上に義務

写真を見る

 警察庁と17道府県の警察官が、昇任試験の対策問題集を出版する「EDU-COM」(東京)から1億円を超える原稿執筆料を受け取っていた問題で、福岡や北海道など5道府県の警視正ら5人が、国家公務員倫理法で提出が義務付けられる「贈与等報告書」を提出していなかったことが、西日本新聞の調べで分かった。確認できた未提出分は少なくとも49件、計約660万円に上る。同法は、課長補佐級以上の国家公務員が5千円以上の報酬や物品を受け取った場合、任命権者などへの報告書の提出を義務付けている。

 8日の衆院内閣委員会で共産党の塩川鉄也氏が一連の問題を追及した。警察庁の中村格官房長は「国家公務員には贈与等報告書の提出が義務付けられており、手続きがきちんと行われているかも事実確認している」と述べた。

 国家公務員倫理審査会事務局によると、同法は1990年代に官僚が業者から過剰接待されていたことが社会問題になったことを受け、透明性を高めるために2000年に施行された。報告書を提出しなければ懲戒処分の対象となる。

 警察庁職員のほか、国家公務員となる都道府県警採用の警視正以上の警察官も対象。報告書は1回の報酬が2万円を超える場合に閲覧できる。

 西日本新聞は、警察庁で閲覧可能な14年1月以降の報告書と、「EDU-COM」が作成した17年3月までの執筆者への支払いリストを照合。警察庁職員が提出した同社に関する報告書は20件(約50万円)あり、リストと内容が一致したが、地方警察官の警視正以上の報告書はなかった。

 リストによると、報告書の提出義務があったのは、北海道、福島、愛知、大阪、兵庫、福岡の警視正や警視長の6人。うち、兵庫県警の警視正は1回2万円以上の支払いはなく、閲覧対象外で確認できなかった。

 警察庁は取材に対し「現在、事実確認中につき、お答えは差し控える」と回答した。

=2019/03/09付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]