架空の日本語学校サイト、画像盗用の手口は

偽サイトの画像に付けられていたファイル名
偽サイトの画像に付けられていたファイル名
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 日本への留学を希望するベトナム人から学納金をだまし取った疑惑が浮上した都内の「株式会社杉並外国語学院」。西日本新聞は、学校を名乗るサイトに掲載された50点以上の画像を検証。詐欺目的とみられる偽サイトの画像盗用の実態が明らかになった。

 検証に使ったのは検索エンジン「Google」の画像検索。一致あるいは類似した画像をインターネット上から検出できる。

 サイトの画像を保存しようとしたところ、1枚1枚をそれぞれ保存することはできず、サイト全体が1枚の画像になっていた。画像ファイル名は「555」と付いていたり、「未标题(無題)-1」などと中国語で付けられているものもある。当然、それぞれの画像からリンク先に行くことはできず、単に画像を組み合わせて「サイト風」に仕立てていたことが分かる。

 サイトに掲載されている写真を1枚ずつ切り取って保存し、それぞれ画像検索したところ、ネット上に広く出回っている画像と一致。利用料を支払えば何度でも使うことができる「ロイヤリティフリー」の画像も含まれていた。

 校長や教職員として掲載された顔写真6点は、他の日本語学校など、いずれも他サイトからの盗用だった。うち2点はGoogleの画像検索では検出できなかったが、ロシアの検索サイト「Yandex」の画像検索で判明した。

 また「学生寮」「アルバイト先」とされた画像は、確認できただけで日本語学校や専門学校計8校、不動産会社や求人会社など計10社のHPから盗用されたものだった。それぞれに関連は見られないが、サイト制作側が「使えそうな画像」を手当たり次第に盗用した可能性もある。画像には九州の企業や学校のほか、国内で開かれた市民マラソン大会のボランティア風景の画像まであった。

 盗用されたのは、画像だけではない。
 「私たちは今、グローバル化された社会に生きています…」。「校長」とされる人物の隣に掲載されたあいさつ文は、東京都内の有名私立高のサイトに掲載された文章とまったく同じだった。偶然の一致ではないことは、他の文章も検索してみて、すぐに明らかになった。中学、高校、大学、日本語学校…。すべて別のサイトからの盗用だった。

 画像と同様に文章にも、盗用の発覚を免れるための細工が施されていた。コピー&ペーストが簡単にできないよう、文章部分も画像化されていたのだ。ただ、Googleのサイトにそれらの文章を手入力して検索すれば、簡単に元ネタにたどり着ける。

 ネット上に仕掛けられた「罠」。手口は巧妙だが、単純で、ずさんそのもの。アルバイト紹介と学生寮の情報ばかりが強調され、本来はサイトの主内容であるべき日本語教育のカリキュラムに関する説明はゼロだった。

=2019/03/25 西日本新聞=

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