1年越し復興の応挙展 開幕前夜、熊本地震で中止 八代の博物館、無傷で全作品返す

来場者が足を止めて鑑賞した国指定重要文化財「牡丹孔雀図」
来場者が足を止めて鑑賞した国指定重要文化財「牡丹孔雀図」
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 江戸時代の日本画の巨匠、円山応挙(1733~95)の作品などが並ぶ特別展が21日、熊本県八代市の市立博物館未来の森ミュージアムで始まった。昨年4月15日に開幕予定だったが、前夜発生した熊本地震の影響で中止に追い込まれていた。学芸員たちの尽力で全作品を無傷で京都市の美術館に返したことが信頼を生み、1年を経て開催が実現した。6月4日まで。

 前震発生後、博物館側は特別展開幕を見送り、本震後は鳥津亮二学芸係長(39)ら学芸員7人全員が同館に駆け付け、展示作を全て収蔵庫に搬入した。5月1日までに専用トラックで作品を管理する京都市の相国寺承天閣美術館に返した。臨済宗相国寺派の有馬頼底管長は「一点も損傷なく返ってきた」と学芸員たちの丁寧な作業をたたえる。

 九州でまとまった点数の応挙作品が展示されるのは初めて。巻物「七難七福図巻」3巻(国指定重要文化財)は、天災や人災がテーマ。このうち、長さ16メートルの「天災巻」は地震におびえ地面に伏す人々が描かれており「いつの世も共通する地震の怖さが、応挙のリアルな表現力で迫ってくる」と鳥津係長。

 熊本地震復興祈念「円山応挙-京都相国寺と金閣・銀閣の名宝展ふたたび」は、応挙の作品群に、門下の呉春などの作品を加えた26点が並ぶ。「牡丹孔雀(ぼたんくじゃく)図」など応挙の4点は国指定重要文化財。一般600円、高大生400円、中学生以下無料。月曜休館。同館=0965(34)5555。

=2017/04/22付 西日本新聞朝刊=

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