ネットと連携、スタッフ育成 在福岡民放各局社長の年頭会見

TNCテレビ西日本が開局60周年記念テーマジングルに起用した山下達郎
TNCテレビ西日本が開局60周年記念テーマジングルに起用した山下達郎
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テーマジングルに山下達郎

 TNCテレビ西日本は今年、開局60周年の節目にあたり、テーマを「ロックに。自由に。TNC」と掲げた。鈴木克明社長は「テレビを取り巻く環境の不透明感や世間一般の閉塞(へいそく)感を打破し、新たな挑戦をしていく決意を表した」と説明し、テーマジングルにシンガー・ソングライター山下達郎を起用したと発表した。

 60周年記念番組は4月に福岡市で開催される全日本柔道選手権の全国中継を皮切りに展開。春の番組改編から本格的に始動する。鈴木社長は「若者層をテレビに取り戻し、自社の制作者を育てたい」とも述べ、深夜帯に若手スタッフが企画した番組をスタートさせる方針を明らかにした。

 開局55周年記念で2013年放送の自社制作ドラマ「めんたいぴりり」の映画化が決まり、地元企業で構成する製作委員会が発足。来年1月公開を目指す。

地元密着で独自配信

 TVQ九州放送は新年に入り、地元のお笑い芸人、町田隼人が県内各地を小型オートバイ「スーパーカブ」で訪れる日曜の旅番組「雨ニモマケズ、」を始めた。番組の認知度を上げるため動画投稿サイト「ユーチューブ」にも配信しており、田中文成社長は「お金をかけなくても工夫していかに良いものを作られるかが勝負だ」と語った。

 地上波では難しくても地元重視でユーチューブを活用した報道事例もある。

 FBS福岡放送は北九州市のテーマパーク「スペースワールド」の閉園の様子を大みそかから元旦未明にかけてユーチューブでライブ配信。この時間帯の地上波はキー局制作番組枠で中継できないため、発信はユーチューブのみという業界では異例の手法を取った。

 菅原洋二社長は「当日、閉園に立ち会えなくても、懐かしい思い出のある人は多いだろうと考えた」と地元の視聴者の思いをくみ取ったローカル局としての判断だったと説明。今回は試行的な取り組みで、収益にどう結びつけるのかが今後の課題となる。

エリア外からも反応

 ラジオ局でも若年層リスナーやエリア外の視聴者を意識した番組作りが進む。クロスFMの坂田隆史社長は「エリア外視聴者も意識したトークや選曲をしていく」と強調。若年層向けに田母神俊雄元航空幕僚長をメインパーソナリティーに起用した新番組「3年C組タモガミ先生!」を今月、始めた。東京での収録に坂田社長が毎回立ち会っているという。

 インターネットテレビ局「AbemaTV(アベマティーヴィー)」が昨年12月、全国各地のラジオ局の人気音楽番組を無料で流すチャンネルを開設。ラブエフエム国際放送は3番組を配信しており、東圭司社長は聞いた人がコメントを投稿できる機能を挙げ、「全国のリスナーとつながることができ、番組の参加性が高まっている」と手応えを語った。

 FM福岡はスマートフォンやパソコンで全国の番組が聞けるradiko(ラジコ)について「転勤などで福岡県を離れた人からのメッセージが増えている」(小田浩稔放送本部長)とリスナー拡大にネットとの連動が一定の効果があるとの見方だ。

=2018/01/31付 西日本新聞夕刊(娯楽面)=

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