“ガンダムの女神”森口博子が語る出合い「やっと手を差し伸べてくれた」

チャーミングな笑顔。「悩んでいた時期に母から口角を上げていたらいいことが起こると言われ、心掛けていたら人生が好転した」と語る森口博子
チャーミングな笑顔。「悩んでいた時期に母から口角を上げていたらいいことが起こると言われ、心掛けていたら人生が好転した」と語る森口博子
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繊細な少年が戸惑いながら旅立つメッセージを込めた

 福岡市出身のタレント森口博子が人気アニメ「機動戦士Zガンダム」の世界に再び挑んでいる。Zガンダムといえば、1985年にテレビアニメの主題歌「水の星へ愛をこめて」で歌手デビューを果たした「人生を変えた運命の作品」。その後も人生の節目にガンダムの曲と巡り合い、2月にはその作品世界を投影した「鳥籠の少年」をリリース。「ガンダムの女神」は新曲にどんな思いを込めたのか。

 「アイドルオーディションを受けて落ちまくっていた時に、ガンダムがやっと手を差し伸べてくれた」

 森口はガンダムとの出合いをそう振り返る。

 小学生のころテレビ局主催の子どもの歌合戦番組に出演して東京・中野サンプラザのステージに立ち、生バンドをバックに歌い、客席の拍手に包まれた。

 「あの時の快感が私の原体験です」

 デビュー曲はヒットしたものの、その後は鳴かず飛ばずで所属事務所から「福岡に帰りなさい」と“リストラ宣告”を受けた。

 「私に才能がないんじゃなくて、大人たちは私のことをきちんと見てないんじゃないか、ちゃんと見てよと思い、泣きながら『何でもします』とお願いしてもらったのがバラエティーの仕事だった」

母の背中に学ぶ

 「カバを口説く」という珍妙なお題に体当たりで挑むなど懸命な姿勢が買われ、一時期はテレビ番組のレギュラーを12本抱える多忙なバラエティーアイドルに。その活躍が認められ、91年には映画「機動戦士ガンダムF91」の主題歌「ETERNAL WIND」を歌い、NHKの紅白歌合戦出演に至った。

 バラドルのイメージが強いが、本人は「バラエティーを全力でやるのは、その先に生命線の歌があるから。その方程式はずっと変わらない」と歌に掛ける思いを熱く語る。

 なぜそこまで歌にこだわるのか。「母の存在」を挙げる。小学2年生の時に両親が離婚。家庭環境が激変したが「歌えばすごく幸せな気持ちになって歌に救われた」。4姉妹を育てながら働く母親の姿からは「ぶれずにひたむきに生きる大切さ」を学んだという。

人生詰めた1枚

 新曲は、芸能人生の円熟期を迎える中で世に送り出した。Zガンダムをイメージしたパチンコ機の搭載曲で、疾走感のあるアップテンポの曲だ。

 「繊細な少年が目標に向かって戸惑いながら(鳥籠という)心の殻を破って旅立つというメッセージを込めた」。6月には50歳に。「大台に乗るので、一歩踏み出して自分の殻を破りたいと思っていた時にぴったりの曲だった」。新譜には17歳のみずみずしい歌声のデビュー曲や自分で作詞した「生命の声」を収録。「私の人生が詰まった1枚です」

 ガンダムシリーズは宇宙世紀という架空の未来を舞台にした壮大な物語。そのテーマ曲を歌い続け、今、何を思うのか。

 「ガンダムの世界も争いが絶えず、人間模様が描かれてテーマが大きい。新曲しかり、人の生きる力につながる表現者でありたい」

 8月には福岡など4都市を巡るライブツアーを控える。ガンダムで体感した生と平和へのメッセージを届けるつもりだ。

 ◇森口博子ライブツアー2018福岡公演 8月19日午後5時、福岡市・イムズホール。料金7千円。BEA=092(712)4221。

 

=2018/04/28付 西日本新聞夕刊(娯楽面)=

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