さだまさし、66歳の「生き直し」 デビュー45年目、45枚目の新アルバム

故郷・長崎を皮切りに、45周年記念コンサートツアーを続けているさだまさし
故郷・長崎を皮切りに、45周年記念コンサートツアーを続けているさだまさし
写真を見る

 シンガー・ソングライターさだまさしが新しいオリジナルアルバムをリリースした。フォークデュオ「グレープ」としてデビューしてから45年。通算45枚目となるアルバムのタイトルは、何と「Reborn(リボーン)~生まれたてのさだまさし」。66歳にして「生まれたて」とは恐れ入る。15年ぶりにレコード会社を移籍し、環境をがらりと変えて「新しい自分を生き直す」という意味を込めたという。

「さだチルドレン」ナオト・インティライミらが後押し

 「生き直し」を目指したさだを揺さぶるために、さだの音楽に強い影響を受けてミュージシャンになった若い2人が協力した。いずれも「さだチルドレン」を公言するナオト・インティライミとレキシ(池田貴史)だ。

 ナオトとは2曲を共作した。1曲目の「パスワード シンドローム」は「これがさだまさしか?」と驚く軽快なダンス音楽。「クラブでかかりまくるさだまさしが聴きたい」というナオトの要望に応えたという。インターネットを使う上で避けて通れないパスワードを覚えきれなくなったさだの体験を「あれ?これじゃないかーじゃこっちかな?ありぁこれも違う」と嘆く歌に仕立てた。

 2曲目は東日本大震災翌年の2012年3月、NHKの震災復興支援番組で岩手県大船渡市を訪れた際に深夜から翌朝にかけて合作した「きみのとなりに」。「仮設の居酒屋でね。僕にその気はなかったんだけど、ナオトが『今日しか作れない歌がある』って言い出してね」

 レキシがプロデュースした「黄金律」は、『「好きだ」って何だろう』をキーワードに2人の音楽的対話から生まれた。「僕が伝えたかったことをレキシが最大限引き出してくれた。僕に対する愛を感じたね」。まじめなテーマを軽快なテンポで歌いきった楽曲だ。

 「ナオトとレキシが僕の中になかった血液を入れてくれたおかげで、僕は僕でさだまさし的なものに専念できたのは大きい」。その言葉通り「桜ひとり」や「茅蜩(かなかな)」「おんまつり」「まぼろし」「都会暮らしの小さな恋に与える狂詩曲」は、いかにもさだらしいサウンド。「新しい境地を見せながら今の自分自身の立ち位置を証明するアルバムになった」と自負する。

 ならば新作は満足できる出来なのかと問うと「まだまだ」という答えが返ってきた。「もっとうまくなれるし、もっといい曲ができる。いつも『うたづくり』は苦しいけど、満足できないから飽きもせずに次を目指すんだろうね」。いくつになっても立ち止まろうとしない姿勢も不変だ。

   ◇   ◇

 5月12日、故郷・長崎の長崎ブリックホールを皮切りに始まった「45周年記念コンサートツアー」は12月まで続く。九州での公演は8月以降、▽8月10日、北九州市小倉北区・アルモニーサンク北九州ソレイユホール▽同12日、福岡市博多区・福岡サンパレス▽9月7日、大分市・iichikoグランシアタ。以上の問い合わせはキョードー西日本=092(714)0159。9月8日の佐賀公演は会場の佐賀市文化会館=0952(32)3000。入場料はいずれも8640円。福岡サンパレス公演は完売。

=2018/07/14付 西日本新聞夕刊(娯楽面)=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]