佐賀「カセドリ」など10行事 「来訪神」世界無形遺産へ 地域の誇り、継承へ励み

「見島のカセドリ」=2017年2月11日、佐賀市蓮池町見島
「見島のカセドリ」=2017年2月11日、佐賀市蓮池町見島
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悪石島のボゼ(鹿児島県教育委員会提供)
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 神に扮(ふん)した住民が地域を巡り歩く佐賀、鹿児島など全国8県10件の伝統行事「来訪神 仮面・仮装の神々」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録への勧告が発表された24日、九州でも関係者から喜びの声が上がった一方、継承の難しさや悩みも聞かれた。

 佐賀市蓮池町の見島地区に伝わる小正月の行事「見島のカセドリ」は、370年ほどの歴史があるといわれる。毎年2月の第2土曜、かさとみのを身に着けて神の使い「カセドリ」を装った青年2人が地区の民家を訪問。青竹を打ち鳴らして五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全などを祈願する。

 地元住民でつくる「見島のカセドリ保存会」の武藤隆信会長(65)は「地区の若者が価値を再確認して継承への意識も高まる」と勧告を歓迎した。ただ近年、マナーの悪い見物客が増えているといい、「伝統の行事を本来の姿で粛々と守り続けたい」との思いがかなうのか、不安もよぎる。

 既に2009年、登録された鹿児島県薩摩川内市の甑島の「トシドン」だが、島内6地区であった行事は少子高齢化で昨年は4地区のみ。「甑島のトシドン保存会」の苑川(そのかわ)託美会長(67)は「これが起爆剤となって伝統が途切れないような運営ができれば」と願う。

 一方、同県十島村の「ボゼ」を伝承する悪石島の盆踊り保存会の有川和則会長(66)は「先祖代々続く悪石島の誇りが世界に認められた」と声を弾ませる。薩摩硫黄島(同県三島村)のメンドンを受け継ぐ「硫黄島の八朔(はっさく)太鼓踊り保存会」の徳田保会長(64)も「人口約120人の小さな島の励みになる」と喜び、「伝統芸能を守るため今まで以上に頑張らないと」と気持ちを引き締めていた。

=2018/10/25付 西日本新聞朝刊=

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