「地上波の枠超え」加速 福岡のテレビ局年頭会見から探る

TNCがフジテレビ系列で全国放送する「ニッポンわが町うどんMAP」に出演する博多華丸・大吉(提供写真)
TNCがフジテレビ系列で全国放送する「ニッポンわが町うどんMAP」に出演する博多華丸・大吉(提供写真)
写真を見る
KBCは、羽鳥慎一(左)と宮本啓丞が出演する新番組を制作(提供写真)
KBCは、羽鳥慎一(左)と宮本啓丞が出演する新番組を制作(提供写真)
写真を見る

 平成も残すところ、あと2カ月余り。2019年度中にNHKが開始を目指している、テレビ番組のインターネット常時同時配信など、テレビ業界の取り巻く環境は大きく変化していきそうだ。新しい元号になっても山積する、若者のテレビ離れや、相次ぐ自然災害などへの課題に、福岡県内に本社を置く民放各局はどう向き合っていくのか。1月末に各局が行った年頭会見から探った。

五輪にらみ

 NHKのテレビ番組のインターネット常時同時配信について、RKB毎日放送の井上良次社長は「東京五輪に向けて、拍車がかかるだろう」と予測する。ローカル局として、視聴者のニーズを精査し、地上波の枠に縛られず、情報を届ける決意を示した。今年は、春の統一地方選と夏の参院選が重なる「選挙イヤー」でもある。フェイスブック(FB)やネット配信を充実させ、いち早く多角的な報道を目指す。

 視聴者の幅広いニーズに応えようと、ドラマやバラエティーでも地上波の放送枠を飛び出す動きがある。

 18年の年間視聴率完全5冠を7年ぶりに達成したKBC九州朝日放送。18日からインターネットテレビ局「AbemaTV」で先行配信している恋愛ドラマ「1ページの恋」を22日から毎週金曜深夜に放送する。人気アイドルの橋本環奈の連続ドラマ初主演作で、大野いと、田口浩正など、福岡県出身のキャストを軸に据え、さらに10、20代の女性層取り込みを狙う。

 FBS福岡放送では、バラエティー番組「頑張るキミに花束を!」(毎週金曜午後7時)のコーナーで、九州の山道約3千キロを徒歩で一周する企画をスタートする。電波が届かない山中でも、現在地とルートが分かるアプリと連携し、リアルタイムで更新。海外を含めた放送エリア外への発信を狙う。

 TVQ九州放送でも、ネット配信など、コンテンツ強化に特化した部署を4月に新設する。

防災を意識

 KBCでは、福岡全60市町村の一つの自治体に1週間ずつスポットを当て、情報番組やラジオで町の魅力を発信する「ふるさと Wish」を1月、スタートさせた。

 17年の九州豪雨で朝倉市などで甚大な被害を受けたことから、防災・減災の強化に取り組む。その一環として、各市町村の学校での防災出前授業やシンポジウムを開催し、番組でも取り上げる。

 「自然災害から身を守るために、テレビ局の責務を果たさなければならない」と語気を強めるのはTNCテレビ西日本の鈴木克明社長だ。災害現場から中継で伝えるだけではなく、地図を用いて、どこで何が起きているかが瞬時で分かるようビジュアルにも工夫を凝らす。イベント中止や交通機関の遅延・欠航などのテロップも充実させていくという。

 RKBも、ニュース番組で、気象予報士による災害のメカニズムを解説するコーナーを強化している。

視聴率争い

 各局の“らしさ”を生かした番組にも目がとまる。

 TNCは、朝の情報番組「ももち浜ストア」の人気コーナー「うどんMAP」の特別番組「ニッポンわが町うどんMAP」を24日午後4時5分から、フジテレビ系列で全国放送する。福岡県出身の漫才コンビ、博多華丸・大吉が司会を務め、全国各地のご当地うどんの紹介や県民性を探る。山奥にある秘境のうどん店にも潜入する。

 子育て支援イベントを行ってきたFBSは、4月6日午前9時半から「#かぞくのすまいるday」のイベントの様子を生放送する。藤井フミヤによるライブや、つるの剛士、IKKOが出演する。

 KBCは、全国の朝の情報番組の司会を務める羽鳥慎一と、福岡の宮本啓丞が出演するバラエティー番組「羽鳥×宮本 福岡好いとぉ」を毎月1回、月曜午後7時からスタートさせた。ゴールデンタイムでレギュラー番組を制作放送するのは始めて。視聴者の多い“激戦区”で勝ち抜くことで、好調な視聴率の勢いを加速させていく。

=2019/02/20付 西日本新聞夕刊(娯楽面)=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]