「空きはありませんが、それでもよければ」-

 「空きはありませんが、それでもよければ」-。その電話応対を何度聞いただろう。

 1年間の育児休業後、11月に職場復帰を予定する妻と福岡市内の保育園探しに苦戦中だ。申し込みには事前見学が必要で、電話予約のたびに決まって「お断り」が入る。受け入れは厳しいと、見学さえも断られるところもあった。

 それでも2歳児までの小規模保育などを含め、10カ所ほど見学した。丁寧に説明してくれる園もあったが、ぜひ預けたいと願うこちらの思いと、保育士不足でこれ以上は預かれないという園との間に、むなしい時間が過ぎた。

 先日、厚生労働省が発表した待機児童数は全国で2万6千人を超え、「隠れ待機」は約7万人もいる。その中の1人なのかと痛感した。

 連日の猛暑の中、見学を終えて、3人で汗だくで帰る。“先輩たち”の姿を見て一緒に遊びたいと思ったのか、息子だけが腕の中でニコニコと笑っていた。 (佐藤桂一)

=2017/09/14付 西日本新聞朝刊=

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