現役引退後、「ひふみん」の愛称で大ブレーク中の加藤一二三さん

 現役引退後、「ひふみん」の愛称で大ブレーク中の加藤一二三さん。将棋界での通算1324勝は、大山康晴15世名人などに次いで歴代3位の金字塔だが、スランプに陥って20連敗したこともあったという。「手心」などあろうはずもないガチ勝負の世界。干天の慈雨となったのは、音楽であり、宗教だったようだ。

 近著「天才棋士 加藤一二三 挑み続ける人生」(日本実業出版社)で、ひふみんは素顔を見せてくれる。テレビ番組で歌うほどの音楽好きは置くとして、キリスト教から学んだ「神様が良しとする生き方をしていれば、必ず神様が手を差し伸べてくださる」という信仰心が傑物を支えた。「今を真剣に」「思いやる心」「感謝の念」…。そんな姿勢を、高み目指すわが身の物差しとしてきたのだろう。

 世情を見るにつけ権力欲、隠蔽(いんぺい)体質漂う昨今。「良しとする生き方」を求められているのは、そこここにいるお偉方である。 (田端良成)

=2017/12/07付 西日本新聞朝刊=

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