「戸畑(北九州市)では1回洗濯したぐらいで汚れは落ちない」「扇風機は買って2カ月でべとべとになる」…

 「戸畑(北九州市)では1回洗濯したぐらいで汚れは落ちない」「扇風機は買って2カ月でべとべとになる」…。映像とともにナレーターの暗い声が響く。工場の公害問題を訴える戸畑の婦人会が1965年に製作した約30分の記録映画「青空がほしい」。黄、黒、白、赤の不気味な煙が立ち上るシーンには背筋が寒くなった。映画の終盤にナレーターは「工業都市の宿命と諦めてよいのか」と訴えた。

 1月末、昨年亡くなった記録作家の林えいだいさんをしのぶ上映会が同市環境ミュージアムであった。林さんは同市教育委員会の職員時代、公害告発運動に関わり、「青空がほしい」では構成を担当。完成から数年後に退職した。

 ミュージアムの中薗哲館長は上映後、「『七色の煙』が幸せの象徴とみられていたとき、えいだいさんや婦人会の勇気ある行動が今の北九州の財産となった」と語った。公害克服の原点に触れた気がした。 (古長寛人)

=2018/02/19付 西日本新聞朝刊=

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