紙面を作り終えた深夜の帰り道

 紙面を作り終えた深夜の帰り道。信号待ちをしているミニバイクから排ガスのにおいが漂ってきた。少し甘く、鼻の奥に刺さるような、何の変哲もない街のにおいだが、久々に「外」の空気を感じた。

 11日に大分県中津市耶馬渓町で大規模な山崩れが発生した。以来、ほぼ大分市のビル内にある総局にこもり、現場の記者たちと電話やパソコン越しのやりとりが続く。

 安否不明者の捜索現場では、崩落した巨岩が作業を阻む。二次災害の危険もあり、雨が降れば中断を余儀なくされた。「ご家族のことを思えば急ぎたいが…」。捜索関係者のもどかしさは、ニュースに触れる皆の思いだろう。

 雨も地震も直前にはないのに突如、山が崩落した要因として、専門家は火山性の土壌から成り立つ一帯の地質的な特性を指摘する。この災害が意味することは何か。掘り下げ、報道するべきことは何なのか。考える日々が続く。 (岩尾款)

=2018/04/17付 西日本新聞朝刊=

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