防衛省の3等空佐が

 防衛省の3等空佐が、歩道で偶然会った野党議員に自衛官と名乗り、暴言を浴びせた問題で処分された。民主国家の大原則である「文民統制(シビリアンコントロール)」を軽んじた言動で酌量の余地はないが、果たして個人的な問題なのか気になっている。

 数年前に防衛省を取材していた頃、自民党の会合で若い議員が、基地周辺の住民負担を巡り「そもそも、負担というネガティブな表現がおかしい」とかみついた。防衛族の重鎮議員がとりなして収まったが、この議員の軍事優先の考え方に背筋が寒くなった。

 省内の非公式イベントでは「これから安全保障は防衛省が担う」と宣言する官僚がいた。キャリア官僚の中でも、優秀な人材が近年入省しているとの自負が趣旨だが、日本の安保を外交で担う外務省より前に出ることへのためらいのなさに違和感を覚えた。

 社会の空気が、かつての時代に逆戻りしないのを祈るばかりだ。 (吉田賢治)

=2018/05/11付 西日本新聞朝刊=

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