「権力の横暴を許すな」「学生諸君は三里塚へ結集せよ」「学費値上げ絶対反対」

 「権力の横暴を許すな」「学生諸君は三里塚へ結集せよ」「学費値上げ絶対反対」。朱色や赤の文字は、独特の書体。内容は政治批判からサークル勧誘までさまざまだが、共通するのは、やや誇張した命令口調であったことか。

 スマートフォンなどなかった学生時代。「立て看板」は掲示板やビラ、拡声器とともに、不特定多数に情報を告知する最も有効な手段であった。キャンパス内外にずらりと並ぶ光景は、あの頃の大学の象徴でもあった。

 あれから40年近くたち、かつての“象徴”は景観の“異物”と見なされるようになったらしい。

 京都市から「景観条例違反」と指摘された京都大名物の立て看板。規制の動きに賛否両論あると聞くが、あの光景に慣れ親しんだ50代半ばの「タテカン世代」にとっては、問題になること自体が意外だった。たかがタテカン。されどタテカン。時代の変遷を痛感する。 (吉留常人)

=2018/05/14付 西日本新聞朝刊=

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