実家を掃除している最中に古いレコードを見つけ、手を止めた

 実家を掃除している最中に古いレコードを見つけ、手を止めた。絵本のようなジャケットに、本体の円盤は真っ赤。50年近く前、父に買ってもらったLP盤だ。

 プロコフィエフ作曲の「ピーターと狼」で、カラヤン指揮。永六輔さんが脚本を書き、坂本九さんが朗読していた。絵本で親しんでいた物語が、音楽と語りで映像化されたように浮かび上がってくる一枚。わくわくどきどきしながら聴いた子ども時代がよみがえってきた。

 ただ、実際に聴こうにもレコードプレーヤーは手放してしまい、もうない。CDプレーヤーにスマートフォン、AIスピーカーとデジタル機器が席巻する昨今。アナログ機器を持つのは、よほど好きな人たちだろう。

 懐かしいレコードは、本当はどんな音だったのか。記憶の中の優しい音と思い出に、古き良きものを大切に、と教えられている気がした。 (広瀬留美)

=2018/05/16付 西日本新聞朝刊=

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